後を絶たない台風のときに「川を見に行く人」にはどんな心理が働いているのか?
木村教授の分析では、ひとつは「単純にどのような被害がでているか知りたくなり、出かけてしまうケース」もうひとつは「仕事として外出せざるを得ないケース」の2つのパターンがあるそうです。
私の場合には、中学生の頃でしたが、台風が近付いてくると、なんか、「ソワソワする」から、近くの海を見に行きたくなりました。
もちろん、実際に台風が上陸するなど、暴風雨の時ではなくて、その前の、これからこちらに台風が向かってくるだろうというときです。
「うねり」といわれる高波が防波堤に襲いかかる様子は、迫力があります。
まさに地響きのような音もすごいです。風も強いですから、100メートルくらい離れていても潮風が顔にかかってきます。
防波堤に近寄ったら危険なことはわかっていますから、無謀なことはしませんし、長時間留まっていることもしませんが、台風が刻々と近付いてくるのを身体全体で感じることが出来ます。
ゴジラ映画で、ゴジラが近づいてくるときのわくわく感と同じかも知れません。
もっと暴れて欲しいという期待感もあるわけですが、実際に大きな被害が出ては困るわけです。
人にもよるのでしょうけど、破壊に対する期待感を持つ人もいるのではないかと思います。特に思春期には、破壊は美しいとか、人間は堕落すべきだとか、いろいろと複雑な心理も産まれてきます。
坂口安吾の「堕落論」にも、そうした人間の持つ堕落に対する考察が書かれています。
そんなことより、いろいろと心配になっても、台風の時には、安全なところに留まって、危険なところには出向かない方がいいですね。
何かが起きたら、大勢の人たちの迷惑になります。