2020年7月4日土曜日

Olympus Pen Sの修理

1973年3月3日に横浜港から当時のソビエト連邦の客船に乗って、はじめて海外に向け出発しました。

事前にいろいろと準備をして、いろいろなモノを持っていったのですが、その中に、父からもらったハーフサイズのフィルムカメラ・オリンパスペンSがありました。

ハーフサイズですから、36枚撮りのフィルムで72枚も写真が撮れるわけで、海外旅行には便利でした。

一応シャッタースピードも露出も自分でセットできるし、なかなかおもしろいカメラで、ヨーロッパではいろいろな写真を撮って記録できました。

そのカメラは、壊してしまったのですが、昔が懐かしくて、ヤフオクで中古を購入しましたが、安いジャンクで、フィルムを巻き取れないですし、シャッターも切れませんでした。


このカメラを分解する前に、こちらの方のサイトのお世話になりました。映像での説明もあるので、非常にわかりやすかったです。

実は、オリンパスペンSは、過去にも分解したことがあり、その時は、元通りに出来ず、部品の集合体として、残っています。

ですから、その時の反省もあり、今回は、スムースに事が運びました。


カバー部分を外すときに、このフィルムカウンターには、気をつけるべき所のひとつがあり、このカニ目は、逆ネジで、それを知らないと、ネジの頭を切ってしまいます。


カバーを外すには、フィルムの巻き取りレバーを外しますが、ネジをいくつか外しますから、ネジの保管は大切です。

昔のカメラは、フィルムを入れるときに、底蓋と裏蓋が一緒になったものを外します。



あと、フラッシュを取り付ける部分にも隠れたネジが2つあるので、注意して、取り付け部分にあるカバーを外して現れたネジを外します。

他には、サイドの部分にも1つネジがあります。このカメラのネジは、すべてマイナスです。


この右の黒いダイアルがフィルムの巻き取りダイアルで、これが、動かなかったのですが、ダイアルを外して、歯車に油を差したりしたら、動くようになりました。

ダイアルの中央にあるネジが逆ネジなので、これも要注意です。

扇風機の羽根などもそうなのですが、逆ネジにすると、普段回す方向と逆なので、徐々に緩むことを防止してくれます。


レンズの所にフィルムを巻くとシャッターがチャージできる機構があるので、それを確認しながら、フィルムを巻いてシャッターを切ることを何度も繰り返しました。

一度シャッターが切れたあと、チャージする部分の戻りが悪くて、ちょっと、巻き取りダイアルを逆にほんのわずかにまわす感じにすると、うまくいきました。

フィルムの巻き取りが空回りしてしまうときには、レンズの裏側にあるとめているネジを調整することで、直ることが多いようです。


自分で使うカメラなので、とりあえず撮影できれば、それで良しです。

ついでに、カバー部分に付いているファインダーのお掃除もしてみました。




この中央の黒い部分がファインダー部分で、ネジでとめられています。


こちらがファインダーを外したところで、右がファインダー部分。


ここを細かく分解すると、接着剤を使うので元通りにするのが難しいですし、その前に、接着をとる時に、レンズやガラスを割ってしまうこともあるようです。

ですから、表の部分だけをお掃除しました。


シャッターは切れるようになったし、シャッタースピードも変化するし、露出の羽根も問題ないから、あとは試し撮りをするだけです。

中華街の裏通りを歩きながら撮影するのは、小さくて軽いカメラが便利です。