2022年7月18日月曜日

中古カメラの話 その5

 フィルムカメラの歴史として、露出やシャッタースピードや距離をすべて自分で設定する初期型から、セレンといわれる今のソーラー電池のようなもので発電して、その微弱な電気を増幅して針を動かしてメモリを指し示すシステムが生まれました。

その針を見て、シャッタースピードに合った露出を決めます。

そんなセレン電池を使ったカメラが大量に出回りました。

レンズのまわりとか軍艦部といわれる上部の部分に取り付けられていました。


このセレン電池のついた中古カメラの多くが、セレン電池の劣化で針が動かない問題が多いです。

ネットを見ると、セレン電池が壊れているカメラに、電卓のソーラー電池をはめ込む手が載っています。

私もやってみたことがありました。



このあたりから電池を使って露出を測るカメラが出てきました。電池を使うタイプの古いカメラの問題は、すでに発売されていない電池が多いことです。

ほとんどの場合にはネットで調べて代替えのアルカリ電池を使うことが可能ですが、その場合には、電池室の大きさに合わせる改造が必要になることが多いです。

ネットで、そのための部品も売っていますが、自分で手作りをするのも楽しいものです。




例えば、このカメラは、レンズのお隣に電池室があって、4LR44(6V)が使われるのですが、この電池を手に入れることが簡単ではないので、どこにでも売っているLR44を4個直列につないて、テープなどで固定します。



それを電池室に入れれば、一応使えるようになります。


こちらのカメラも使われている水銀電池がもう手に入らないので、やはりLR44を使い、電圧を合わせて、電池室の大きさに合うように工夫して、バネとアルミフォイルを使って長さを伸ばしました。



電池室に入れて、テストしたら、無事に電気が流れました。




こうした情報はネットで調べられるし、自分なりに手に入るものを工夫するのも楽しみの一つです。

あと、意外と多いのが、電池の液漏れや電池室の蓋が取れない問題です。蓋がどうしても外れないと、ドリルで穴をあけて無理やり外したりしますが、同じ部品がないと、代用品ではかっこ悪いです。

液漏れによる接触不良は分解掃除をすればきれいになるし、ハンダ付けができる人なら、断線したコードをハンダ付けで繋ぐことも可能です。

本格的な修理には、それなりの道具と技量も必要となるので、時間とお金に余裕がないとやめたほうがいいかもね。