50年前のフィルムカメラKonica auto Sなんですが、世界で初めてCdS受光素子に採用したシャッター速度優先式自動露光カメラなんだそうです。
正面左上の丸いのがCdSで電池を使って露出を測定します。
このカメラは、シャッターを切っても露出を変えても、羽根が全く動きません。
シャッター音だけはするので、たぶん、シャッター羽根としぼりバネが、油などで汚れて固まっているのではないかと見立てて、お掃除をしてみます。
カメラなどを分解するときには、必ず、外したネジなどをしまっておく容器が必要になります。
意外となくしやすくて、なくすと、もう組み立てられないことが多いです。
プラスマイナスの精密ドライバーは、もちろんですが、レンズなどを外すときにはカニ目レンチといわれる道具も必要になります。
頑丈なコンパスタイプもあります。
昔のカメラは、ものすごい力でないと回らないことが多いので、頑丈な方がいいです。
このカメラの場合には、前のレンズを外すためには、この写真のようなゴムが必要になりました。
いろいろなサイズが重なっています。
このようにしてゴムをレンズ部分に当てて、摩擦でレンズのネジを回して外します。
こちらが外したレンズ
レンズを外したところ
アップで見ると、中心部にシャッター羽根が見えます。
こちらは、フィルム室側から見たところ。
こちらにあるレンズは、カニ目レンチで外しています。
中央に見えているのは、しぼりバネです。
要するに、シャッター羽根と絞り羽根が、前後に重なっています。
カメラは、精密機械ですから、歯車などがたくさん使われていて、潤滑油も使われます。しかし、その油が、シャッター羽根や絞り羽根につくと、粘りで動きが悪くなって、うまく開かなくなります。
こうしたときには、本当は、レンズボードといって、シャッターの部分全部をカメラ本体から外して、分解掃除をするのが正解らしいのですが、そこまで素人が手を出すと、元に戻らなくなる可能性もあるので、今回は、手抜きお掃除作戦です。
オイルライター用のベンジンでお掃除です。
ベンジンを羽根にぶっかけては、耳かき用コットンで拭き取ります。
それを何度も繰り返しました。
するとシャッター速度をバルブにして、シャッターを押したままにするとシャッター羽根が開くようになりました。シャッターを離せば、羽根は閉じます。
中央部を見ると、羽根が開いているのがわかると思いますが、これは、シャッター羽根だけでなく、絞り羽根も開いているときです。
絞り羽根も、しぼりにあわせて、開いたり閉じたりするようになりました。
ただ、シャッタースピードが、全くダメで、バルブ以外にあわせると、シャッター音だけで、シャッターが動きません。
シャッター機構が壊れている可能性があり、こちらは、分解しないとダメかもしれませんので、今日は、これまでとして、組み立て直して休止です。
ネットで検索して、シャッターの故障の直し方を探します。