接客業の人が男性のお客様を値踏みするときには、まず、腕時計を見、それから靴を見て、カバンを見るそうです。
腕時計や靴やカバンを見れば、だいたいの経済的なクラスがわかるし、センスの善し悪しがわかるのだそうです。
腕時計など、1万円以下から、1千万円を超えるようなモノまであるわけで、正確な時間を刻むだけではなくて、ブランドとか、宝飾品としての価値があるかどうかも大きいようです。
靴も1万円以下から数十万円もするモノまでいろいろですし、カバンも同じですね。
今タイでは、副首相の腕時計が大変な注目を浴びています。
昨年の内閣改造の記念撮影の時、首相府の庭で記念撮影をしたんですが、閣僚たちに南国の太陽が照りつけ、副首相が、思わず、右手で、日差しを遮ったところの写真が、テレビや新聞に載ったのです。
わたしなら、なんとも思わないわけですが、今の軍事政権が気に入らない人もいるわけですし、特に副首相は、防衛大臣をも兼務する、退役軍人で、いろいろな噂もある人物なんだそうです。
それで、その写真を見て、すごい時計をしているし、つけているダイヤの指輪も高価なものだと言い始めたのです。
それを機に、副首相のいろいろな写真をチェックして、つけている腕時計を査定しはじめたのです。
そしたら、2個が3個に、3個が5個に、5個が10個にと、ものすごい数の高級腕時計が見付かってきて、今日までになんと、22個の高級腕時計の写真が見付かっているんだそうです。
専門家に金額を査定してもらったところ、22個の総額は、1億円を超えているとか。
大臣たちは、就任時に、個人資産を公開しているのですが、そこに、これらの高級腕時計がないということです。そればかりか、軍人時代からの給与を総計しても、とても、そんな財宝を買うことは出来ないはずと、大きなスキャンダルとなってしまいました。
最初の頃、疑惑に対して、すでに亡くなった友人から借りている腕時計だと釈明していましたが、徐々に、沈黙し、捜査機関に任せてあるとのことらしいです。
今のネット時代、1枚の写真から、いろいろなことが特定されてしまいます。
腕時計の好きな人は、多くをコレクションしているそうですし、持っていれば、見せびらかしたい気持ちもわかりますが、ちょっと、政治家としては迂闊だったのかもしれませんね。
貧しく生まれ育った人が、急にお金持ちになったり、権力を持ったりすると、どうしても、成金趣味というか、お里が知れてしまうこともよくあることのようです。
国民の父として慕われたラマ9世は、生前、2~3万円のSEIKO SPEEDMASTERをお使いになっていらっしたとか。時には、数千円の使い捨てのような腕時計もされていたそうです。
ラマ9世のモットーは、「足るを知る」でした。