日本語訳ですと、いちご白書で、フォークソングの題名「いちご白書をもう一度」の方が有名かもしれませんが、1970年代に公開された米国映画です。
ごく平凡な大学生が、ふとしたきっかけで知り合った女性リーダーにひかれてゆき、徐々に大学紛争に参加するようになり、やがて大学側の実力行使で講堂に立てこもる学生たちは次々に排除されて行く映画です。
最後の排除されるときの暴力シーンが、見るものをして、権力への怒りを感じさせましたが、時代は、ベトナム戦争が終わろうとしている時代で、学生運動も先細りになって、過激派だけが、暴走を始めていた時代でした。
この映画でタイトルバックで流れたのは、ジョニ・ミッチェルが作詞作曲した「サークル・ゲーム」で、バフィ・セント=メリーが1967年に発表したカバー・バージョンでした。
彼女の歌声が、独特のビブラートもあって、なにげに悲しくて、心にしみてきました。
歌詞もまたいいんですよね。「上がったり下がったりするメリーゴーランドの回転木馬のように季節はめぐり、私たちは、その『時の回転木馬』の上に縛り付けられているよう。」
「私たちは、過去の日々に戻ることは出来ないけど、たどってきた道を振り返ることは出来る。」
当時の歌には、こうしたキリスト教的な価値観の歌が他にもあって、The Byrdsの「Turn! Turn! Turn!」とかThe Rolling Stonesの「As Tears Go By」などにも、時のめぐりについての歌詞があります。
挿入歌も素晴らしい曲ばかりでした。
「サムシング・イン・ジ・エアー」(サンダークラップ・ニューマン)、「ヘルプレス」、「組曲: 青い眼のジュディ」(クロスビー、スティルス&ナッシュ)、「ローナー」、「ダウン・バイ・ザ・リヴァー」(ニール・ヤング)、「平和を我等に」(プラスティック・オノ・バンド)
こうした曲を検索していると、当時のファッションなども懐かしいです。何となく、当時のファッションが、最近リバイバルという感じもします。