バンコクの北北西100キロちょっとの所に、スパンブリ県があります。
スパンブリといえば、貧しい移民の子として産まれ、土建屋として成り上がり、第28代首相(1995年-1996年)になったバンハーン・シラパアチャーの地元として有名ですし、若くして亡くなった演歌の女王プムプアン・ドゥアンヂャンの故郷としても有名で、他にも、多くの有名な歌手や女優を出す、美人の産地としても有名です。
地獄寺やドラえもん寺があるところでも有名なんですが、今回の話題は、大麻です。
スパンブリにある、有名なKhaokwan Foundationという、農業研究をしているところに、麻薬取締官が、調査に入って、大量の大麻や大麻から抽出した物質などを押収しています。
この財団は、Daycha Siripatrという研究者が作った財団で、稲作の改良などをやってきていますが、最近は、医療大麻の研究もしていて、貧しい農民たちのために、大麻の有効利用の研究もしているんだそうです。
ところが、タイは、医療用大麻が合法になったとはいえ、厳しい規制があって、許可された機関でしか栽培も研究も出来ないので、今回のように、無許可の所は、摘発されます。
この先生、以前から、農業に関しての研究や、自然の植物からの医療などで有名なんだそうで、多くの支持者がいて、不当な摘発だと抗議しているそうです。
この件で、「タイ威信党」の党首や、今月、大麻フェスティバルを開催予定のブリラムの大物ビジネスマン、ネーウィンも、デイチャー先先を支持するとフェースブックなどで応援しているそうです。
まだまだ研究中で、実際に、どの病気に対して、どれほどの効果があるのかは、はっきりしていない部分もあるそうですが、でも、可能性としては、かなりのポテンシャルで、すでにいろいろな国でいろいろな大麻製品が売られているようです。
ネーウィンの話では、スイスでは、大麻成分の含まれた飲み物が合法的に売られているそうです。
こういったビッグビジネスにつながる可能性がある分野には、いろいろな勢力が蠢くわけで、利害が対立する人たちは、大反対します。
医療関係には、巨大企業がありますし、特許のことなど、早い者勝ちだけではないようです。
大麻は、栽培が簡単なんだそうで、誰にでも手軽の栽培が出来て、それを買い取るルートが出来たら、農民にはメリット大だと思うのですが、世の中、簡単ではないですね。
何度も書きますが、嗜好品としての大麻は、タイ国内での使用も所持も栽培も違法で、タイ人でも外国人でも罰せられます。
日本も医療用大麻の研究だけは、すぐにはじめた方がいいと思うけどなあ。
日本で栽培されてきた大麻や自生する大麻には、嗜好品として使えるような成分は少ないそうですし、神道では、昔から麻を使っているわけですしね。