2019年5月10日金曜日

タイの上級国民

池袋で起きた高齢者による暴走事故で、母親と幼い子供の命が失われたにもかかわらず、車を運転していた老人が逮捕されなかったし、マスゴミも容疑者扱いをしなかったと、ネットでは、上級国民だから、特別扱いなのかと大騒ぎでした。

いくらりっぱな仕事をしてきて、勲章をもらった人でも、複数の人の命を奪ったわけですから、特別扱いがあったとすれば、それは、おかしな話です。

直接他人を傷つけたりしなくても、芸能人が麻薬に手を出せば、もう、徹底的に叩かれるし、社会的な制裁を受けます。

法の下、すべての国民は平等であるはずの日本ですよね。

タイなんかですと、軍人とか警察官とか国家公務員なんかは、紛れもない上級国民で、特別な扱いをされます。

政治家や大金持ちも上級国民扱いです。

タイで暮らす日本人の中には、俺は、えらい軍人を知っているとか警察高官を知っているとか威張っている人たちもいます。

そのほとんどが、嘘だったりしますが、本当に知っている人もいますから、騙される人も出ます。

今日のテレビニュースや新聞で話題になっていたのは、タイ南部のナコーンシータマラートで検問中の警官から運転免許証の提示を求められた男が、「俺は、裁判所の主任検察官だ。この辺の警察署長とも懇意にしている。」と免許証を出そうとしなかったそうです。

そして、検問の警察官の名前を聞いて、制止を無視していってしまったそうです。

その後、その検問をしていた警察官が、突然の移動命令で飛ばされたので、近しい人が怒って、その検問の様子を映した映像をSNSにアップして、大問題になりました。

メディアからの取材を受けた警察署長が、バカ正直に、その男を知っているとか、電話で抗議されたとか認めたのに、左遷に関しては、しどろもどろの答えで、火に油状態のようです。

ちなみに、この署長の名前が、幸運という意味のタイ語で、幸運ではなくて変な事件に巻き込まれた不幸な人じゃんとネットでは囁かれているようです。

タイでは、こうしたことは日常茶飯事で、昔は、もっとひどかったですが、最近は、ドライブレコーダーやスマホのおかげで、すぐに証拠がネットにアップされるので、少しは減ってきたようです。

こうした悪習は、軍事政権とか、民主政党とかに関係なく、左でも右でも、タクシン派でも反タクシン派でも、同じです。

タクシン派の大物政治家のバカ息子と言われる男が、警察官を大勢の人が見ている前で射殺しても、いつの間にか無罪になった話は、有名です。

チョー大金持ちレッドブル一家のバカ息子も、警察官をひき逃げして殺したのに、保釈中に国外に逃げ、いまだロンドンで何食わぬ顔で生活しているようです。

日本は平等でいい国だと言えるように、警察も裁判所もよろしくお願いします。