2019年6月11日火曜日

パンチェン・ラマについて

チベット仏教といえば、ダライ・ラマのことくらいしか知らないわけですが、1989年には、世界平和やチベット宗教・文化の普及に対する貢献が高く評価され、ノーベル平和賞を受賞したことでも有名ですね。

パンチェン・ラマが、5月にタイを訪問というニュースがあったので、少し調べてみました。

チベット仏教というのは、モンゴルとの関係が深いんだそうで、それも全く知りませんでした。

ダライという言葉はモンゴル語で、大海という意味なんだそうです。ダライ・ラマという称号はモンゴル人の支配者アルタン・ハーンが当時のデプン寺の座主であったスーナム・ギャツォを師と仰ぎ、贈った称号だそうです。

中国は、元朝もそうですが、清朝もモンゴル人による王朝で今の漢族とは違います。チベット仏教が、モンゴルに伝わっているそうです。

パンチェン・ラマを知らなかったんですが、チベット仏教の現在の主流派であるゲルク派のダライ・ラマとパンチェン・ラマは二大転生活仏なんだそうです。

生まれ変わりですから、ダライ・ラマやパンチェン・ラマが亡くなった時間とかその時の身体の向きなどから、次の生まれ変わりがどこにいるのかを捜索して決めるんだそうです。

今のダライ・ラマは、14世なんだそうですが、パンチェン・ラマに関しては、なんか、不思議なことになっているようです。

ダライ・ラマ14世とチベット亡命政府(ガンデンポタン)が、探して見つけた転生活仏ゲンドゥン・チューキ・ニマ少年(6歳)を、1995年5月14日に、パンチェン・ラマ11世と公式に承認後、5月17日に、両親共々同少年は行方不明となってしまったんだそうです。

どうも中国共産党が、拉致してしまったようです。

そして、今度は、中華人民共和国側が新たに転生者を探索し、金瓶掣簽の結果に基づいて6歳のギェンツェン・ノルブ少年を中華人民共和国国務院認可のパンチェン・ラマ11世として即位させたんだそうです。

タイを訪問したのは、ギェンツェン・ノルブ少年だった方のパンチェン・ラマ11世のようで、こんな映像があります

今回が、初めての外国訪問だそうですし、ビデオ映像は、春節の時のスピーチのようで、徐々に、海外での知名度を広げようとして活動しはじめているような気がします。

タイでは、タイの仏教大学を訪問したと書かれていますが、どんな宗派からの要請だったのかとか、どんな政治家がからんでいるのかとか詳しいことはわかりません。

タイは、最近中国と親密な関係になってきているから、いろいろな意味で、興味深いです。

そして、拉致されたゲンドゥン・チューキ・ニマ少年の方ですが、当初、中華人民共和国政府は少年及び両親の失踪との関わりを否定していたのですが、1996年5月28日、中華人民共和国当局による連行である事を認めたそうです。

北朝鮮と同じで、ひどいですね。

中華人民共和国政府は、ゲンドゥン・チューキ・ニマとその家族を中華人民共和国内で保護していると主張しているようですが、詳しい事情は明らかにされていません。

連行後は真のアイデンティティーを剥奪されて漢族・労働者階級出身の共産主義者として強制的に洗脳教育されているとも伝わったようですが、現在でもゲンドゥン・チューキ・ニマの消息は不明のままだそうです。

子供の頃の写真を元に、成長したら、こんな顔立ちになっているといった顔も公開されています

日本には、中国とか北朝鮮が好きな人たちもいるようですが、彼らは、共産主義の国になっても特権階級だから、今よりも王侯貴族の暮らしが出来ると思っているのかも知れませんが、一般の人にとっては、やっぱり、中国や北朝鮮よりは、欧米の方がいいですよね。

日本もスパイ防止法の復活が必要かもね。