バンコクから7~80キロの所を左に行くと北部タイに続く道で650キロほどでチェンマイにたどり着きます。
左に行かないで直進するとサラブリという所に到着し、そこを右に進めば、東北タイのコーラート方面に行くことが出来ます。
右に行かないで直進するとロッブリに到着です。
ロッブリは、クメール様式の遺跡のまわりにいるものすごい数のお猿さんたちと、冬のひまわり畑で有名ですが、日系の工場があることや基地の街としても有名です。
そんなロッブリには、パーサック・チョンラシットダムがあって、パーサック川流域の洪水と、乾季の水不足解消のために、ラマ9世の発案で出来たダムです。
そのダムの水が、かなりの危機的レベルで、このままだと8月26日頃には、農業用水や工業団地に放水出来なくなるといわれています。
こんな事は4年ぶりだそうです。
日本でも愛知県のダムが干上がってしまい、ダムの底に沈んだ村に歩いて行けるとニュースになりましたが、タイでも、いろいろなところが水不足で、他のダムも水位が下がっているし、川幅が狭くなったりしているようです。
このままでは、トウモロコシやタピオカなど、農産物にも影響がでるそうです。
水不足の原因は、雨不足でしょうけど、一部の人は、メコン河の水量にも関係があるのではないかといっています。
チェンマイから北上するとチェンライ県ですし、もっと北に行けば、ミャンマーとの国境の町メーサイにいけます。
メーサイから、東に進むと、有名なゴールデントライアングル(黄金の三角地帯)といわれる地域があって、メコン河を見る事が出来るチェンセーンに到着です。
この一帯は、観光開発で、多くのホテルなどが出来て、わたしが行った頃とは、全く違っているようです。
チェンセーンの東南東が、チェンコンであの大ナマズでも有名です。
メコン河(中国名・瀾滄河)の水位が、このところ、かなり下がっているそうです。原因のひとつは、中国に造られたダムの影響です。
メコン河は、中国から、ミャンマーとラオスの国境をちょっぴり、タイとラオスの国境を長々と蛇行しながら南下し、カンボジアからベトナムにまで流れていきます。
これらの国々にとっては、水上交通や漁業、そして、飲み水や農業用水、工業用水など、とても重要なわけですが、中国の近代化とともに、中国内にダムが増えて、下流にも影響がでているわけです。
現在中国内のメコン河とその周辺には、10カ所のダムがあります。
そのダムの下流に対する影響について、近隣の国々からは、いろいろな非難の声も上がってきています。
そして、ラオスは、産業の少ない国で、観光業の他に、ダムを造って発電し、その電気を近隣に売ることを計画しています。
ラオス国内のサイヤブリダムは、今年に運転をはじめる計画で、今試運転の時期なんですが、タイ国家水源事務所(ONWR)は7月19日、タイ領内のメコン川流域の県で干ばつの悪化する恐れがあることから、ラオス政府に、サイヤブリダムの試験運用をしばらくやめるよう申し入れたことを明らかにしました。
昨年7月に起きたセーピアン・セーナムノイ副ダム決壊事故は、ラオスとタイの合弁事業で、それを韓国が請け負って建設していました。
多くの被害が出てしまったわけですが、タイは、このダムで発電した電気をタイに送電する計画です。
ダムは、手入れを定期的に行ったり、問題点のチェックをしっかりしているかぎり、半永久的に使えるそうですが、実際には、決壊するダムもあるわけです。
危険なのは、ダムがせき止めている水量が少なくなると、ヒビが入ったり、圧力のバランスがおかしくなって強度に問題が出ることもあるのだそうで、水位が下がったときには、特に点検が必要だそうです。
古今東西、水の奪い合いとか治水事業は、領土問題に匹敵する国の重要な問題ですよね。
タイは、水のあるところには魚が、田んぼのあるところには稲がといわれた、豊かな土地なんですが、最近は、いろいろな問題も出てきています。
いろいろな意味で、開発が急激ですと、問題も少なくないと思いますね。政治家や学者や企業の責任は大きいと思います。