長い間、タイは、外国人にとって住みやすい国のひとつでした。親日の人が多いですし、季候もいいですし、食べ物も美味しいし、物価も安い。
観光地や美しいビーチも多いし、ゴルフや夜のおねえさんもいいというのもあったのではないかと思います。
退職後のロングステイ先でも、マレーシアと並んで人気でした。実際に、10万人を超える日本人がタイで仕事をしたり、滞在したりしているといわれています。
ただ、いろいろな理由で、徐々に帰国する人たちも増えているそうですが、その理由のひとつが、隣国へのビザトリップが規制されたことではないかと思います。
日本人は、タイにはビザなしでも30日間の滞在が可能で、その後、カンボジアとかラオスにいったん出国して、翌日再入国するなどで、また30日間の滞在が許可されてきました。
観光ビザは、60日間の滞在許可と希望すればイミグレにいってもう30日間の延長も可能だそうです。
そして、やはり隣国のラオスやカンボジアにいって、そこのタイ大使館で観光ビザを申請して、再入国することを繰り返す人も多かったそうです。
その無限ループで、1年とか2年とか、タイに滞在することも可能でした。すごい人になると10年とか20年とかもいるそうです。
それが、そうした陸路での出国・再入国に回数制限が設けられて、多くの日本人が、困っちゃったようです。それで、長期滞在を諦めて帰国する人が増えたそうです。
入国時に、次はビザがないと入国を拒否するなど何かのサインをパスポートに書き込まれることもあるようです。
そして、90日レポートというのが、長期滞在者にとっては、面倒なシステムになりました。90日以上の滞在者は、90日ごとにTM47という用紙を提出しなければなりません。
最近ではオンラインでのレポートも出来るようになったそうです。
なぜだか知らないですが、チェンマイのイミグレーションは、仕事熱心というか、法律の勉強をよくしているためなのか、いろいろなシステムが、チェンマイからはじまるような話もあるようです。
そして、今話題になっているのが、TM30というレポートです。
これも2016年にチェンマイからはじまったという話ですが、今年になってから、タイ全土で、話題になっているようです。
ようするに外国人を泊めているアパートとかマンションとかホテルなどのオーナーは、外国人が泊まっていることをイミグレーションにレポートしなければならないという法律があるんだそうです。
最初はオーナーがしなければならないのですが、その後は、泊まっている外国人が、国外にでて再入国する度に、TM30というカードをイミグレーションに提出するんだそうで、もし、それが遅れると罰金だそうです。
詳細は、上記のサイトに書かれています。
バンコクで、昨年から、この件が厳しくなったのは、こちらが原因だという話もあります。
不法滞在などの外国人の問題もありますが、あとは、外国人に部屋を貸しているタイ人が所得隠しをして税金を払っていないことも問題のようです。
税務署が本気になったら、普通の人は言われるがままです。
このTM30に関しては、東北タイで暮らす西洋人が中心となって、法律を変えて欲しいと署名運動をしているそうです。
TM30廃止を求めるオンライン請願活動がスタート、署名1万人を目指す
タイという国は、よく誤解されやすいんですが、取り締まりはいい加減なときがあっても、法律は、近代国家として、しっかりと整っているわけです。
例えば、イミグレーションに関する法律は、一度読んでおく方がいいと思います。
Section 38 : The house – master , the owner or the possessor of the residence , or the hotel manager where the alien , receiving permission to stay temporary in the Kingdom has stayed , must notify the competent official of the Immigration Office located in the same area with that hours , dwelling place or hotel, within 24 hours from the time of arrival of the alien concerned. If there is no Immigration Office located in that area , the local police official for that area must be notified.
In case the house , dwelling place , or hotel where the alien has stayed under provision of Para.1 is located within the Bangkok area , such notification must be reported to the competent official at the Immigration Division.
Making notification , in reference to the Para 1 and 2 of this Section , must comply with regulations prescribed by the Director General.
上記がTM30の根拠になる法律ですね。
Section 12 : Aliens which fall into any of the following categories are excluded from entering into the Kingdom :
2. Having no appropriate means of living following entrance into the Kingdom.
9. Having no money or bond as prescribed by the Minister under him
こちらが、空港で入国を拒否された13人の外国人に対する根拠
Section 37 : An alien having received a temporary entry permit into the Kingdom must comply with the following :
2. Shall stay at the place as indicated to the competent official. Where there is proper reason that he cannot stay at the place as indicated to the competent official, he shall notify the competent official of the change in residence , within 24 hours from the time of removing to said place.
3. Shall notify the police official of the local police station where such alien resides, within twenty – four hours from the time of arrival. In the case of change in residence in which new residence is not located the same area with the former police stations , such alien must notify the police official of the police station for that area within twenty – four hours from the time of arrival.
4. If the alien travels to any province and will stay there longer than twenty – four hours , such alien must notify the police official of the police station for that area within forty – eight hours from the time of arrival.
5. If the alien stays in the Kingdom longer than ninety days, such alien must notify the competent official at the Immigration Division , in writing , concerning his place of stay , as soon as possible upon expiration of ninety days. The alien is required to do so every ninety days. Where there is an Immigration Office , the alien may notify a competent Immigration Official of that office.
The provision of ( 3 ) and ( 4 ) shall not apply to any cases under Section 34 by any conditions as prescribed by the Director General.
In making notification under this Section , the alien may make notification in person or send a letter of notification to the competent official , in accordance with the regulations prescribed by the Director General .
上記が90日レポートに関する法律