2020年10月31日土曜日

陰謀論

 世の中には陰謀論と言われるモノが色々とあるわけですが、全くいい加減な根拠のないものから、もしかすると本当かと思うようなものまでありますよね。

世界はもう終わるとか人類は滅びるとか言って不安を煽って、宗教に誘導するとか、アヤシイものを売りつけるとかは最悪です。

親日国として有名なタイですが、もちろん、日本が好きな人たちだけではなくて、日本を嫌っている人たちもいますが、大きな反日運動が起きたのは、1974年の田中角栄元首相がタイを訪れた時に起きた学生たちによる反日運動でした。

時は、ベトナム戦争の真っ最中で、ドミノ化といわれた共産主義の広がりの時代でした。

タイでは、1973年の10月14日に起きた血の日曜日事件など、共産主義者や学生たちの反政府運動が盛んな時代でした。

彼らは、反米ですから、アメリカは、彼らの怒りの矛先を日本に向けさせたわけです。

ちょうど日本は、海外に経済進出をしていた時期で、バンコクにも日系の会社が増えていた時代です。

日本では、タイ式ボクシングをSHOW化したキックボクシングが紹介され、沢村忠選手を筆頭に本場のタイ人ボクサーをKOするシーンがテレビで放映され、大人気でした。

当然、タイの人たちからすれば、タイの国技でもあるタイ式ボクシングを冒涜していると怒った人たちも多く、当時タイではまだめずらしかった大型デパートの大丸前で行われた野口ジムのパフォーマンスにタイ人が怒りをぶつけたそうです。

それで、田中元首相が訪問した時に、モノを投げつけたりした過激な抗議運動が起き、当時バンコクにいた人たちの話を聞くと、会社や商店は日本語の看板を下ろし、目立つようなアメリカの大型車に乗ることもやめ、とにかく、外出を控えていたそうです。

学生たちの反日運動の裏にはアメリカCIAの手引きがあったという陰謀論がありました。

今タイで行われている反政府運動にもそうした陰謀論はあります。

欧米の影響を受けている指導者たちが洗脳・扇動をしているというわけです。

現政権が中国と密接な関係でアメリカが対中経済戦争の一環として、一帯一路にタイが加わることを妨害するという見方をする人もいるようです。

学生たちが影で囁いているラマ9世に関する話も、ウィキリークスなどで流出したといわれる嘘か誠かわからないアメリカ大使館の外交文書を学生たちに広める一味がいるそうです。

タイの人たちの多くが、ラマ10世に関する批判には沈黙しても、ラマ9世に関しては、ゼッタイに許すまじと思って表に出てくる人たちもいるわけで、今週は、黄色いシャツを着た王制を支持する人たちの集会も目立っています。

王制支持の有名人たちもいるわけで、反政府支持の芸能人ばかりでもないわけです。

学生たちは、純粋ですから、世の不正には敏感ですが、そうしたことを利用しようとする悪党たちがいるのも事実だと思いますね。

今や、世界中で、右翼と左翼、民族主義とグローバリズム、愛国と売国などなど狐とタヌキの化かし合い状態で、国連でもその関連団体でも、アヤシい人たちが蠢いているそうです。

嘘は、いつかばれるし、因果応報、自分達のやったことは、いつか自分に降りかかると昔から言われています。

昔のタイよりも今のタイの方が、ずっとタイ人にとっては暮らしやすくなっているように思いますが、失ってしまったタイの良さもあると思います。

タイ人にはカッとして喧嘩するよりも、微笑み合う方が似合います。

時間をかけて、平和な方法で問題を解決して欲しいと思います。