2020年12月16日水曜日

Approximately Infinite Universe

時は1973年、ストックホルムのレコード屋さんで見つけた小野洋子さんの2枚組アルバム「Approximately Infinite Universe」を半年ほど持っていましたが、スイスでお世話になった家に忘れてしまいました。

「Approximately Infinite Universe」というタイトルですが、「限りなく無限に近い宇宙」といった意味だと解釈しています。

宇宙もいろいろと解明されてきていて、無限ではなくて有限かもしれないとか思ったりもします。

小野洋子さんの「GrapeFruits] を1972年に読んでから、ずっと彼女のファンで、彼女の感性とか詩のセンスは、天才だと思うのですが、彼女の歌は、微妙で、好きな曲もあれば、全く受け付けない曲もあります。

奇声を発する曲はダメです。

彼女の詩は、まさに宇宙の中の地球とか人間とかモノを鳥瞰的に語っていて、日本の和歌や俳句が生きているような気がするし、彼女の曲の中には、日本の童謡のような感じの曲もあります。

彼女は、前衛芸術家ですし、時代の先を見る天才で、戦争反対とか、女性問題とか、環境問題など、今の我々がやっと理解しはじめているようなことを60年代から訴え続けてきているわけです。

ジョンレノンのイマジンも、今では、ジョンが小野洋子さんから大きな影響を受けて書いた曲だと知っていますが、当時は、ジョンレノンを奪ってビートルズを壊して日本女性といった見方をされていました。

彼女の作品とか考え方を知れば、ジョンが小野洋子さんにべた惚れで、彼女の影響を受けて名曲を書く事が出来たとわかります。

だって、地面に耳をつけて地球の回る音を聴きなさい

地下水の流れを聴きなさい

かと思えば、あの奇声で
Open your box,
Open your trousers,
Open your thighs,
Open your legs,
Open, open, open, open, oh.

Boxには女性器の意味もあるそうで、センサーをかけられたりもしました。

COUNT
count the clouds
name them

彼女の作品のひとつですが、「雲を数えなさい、そして一つ一つに名前を付けなさい」


It's sad that air is the only thing we share,
No matter how close we are there's always air between us.
It's also nice that air's something we all share,
No matter how far apart we are an air links us.

私たちが共有できるのが空気だけだなんて、悲しいこと
どんなに寄り添っていても、2人の間には空気がある
でも、私たちが共有できるモノが空気だなんて、素敵です
どんなに離れていても、空気が2人をつないでくれる

一度聴いて欲しい曲がいくつもあります。







彼女の基本は、反戦だったり、フェミニズムだったり、想像力であったり、夢だったりするわけですが、まあ、左翼の人たちが好きそうなテーマです。

彼女は大財閥の家系ですし、学習院では上皇陛下と同窓だったとか。東京大空襲の悲劇も体験しているようです。

Dream you dream alone is just a dream/But dream we dream together is reality.