2022年7月30日土曜日

三つ子の魂百まで

子供の時の性格は歳をとってもなかなか変わらないということなんですが、私は、鶏肉を食べません。

他にも内蔵類は食べませんし、川魚とかウナギも食べません。

私は、地方都市生まれで、子供のころはまわりが田畑の田舎でしたので、今では考えられないこともいろいろとありました。

その一つが、家では卵を食べるために鶏を飼っていましたし、子供のためにとヤギを飼っていて、私はヤギの乳を子供のころは飲んでいました。

それで、父親が、鶏を殺しているところを子供のころに見ちゃったんです。

父が、来るなといったそうですが、来るなと言われたら、子供は来いといわれたと勘違いするわけで、父の作業を見てしまい、その時から気の小さい私は、鶏肉が食べられなくなりました。

学校の給食でも鶏肉が出ると、もうだめでした。昔の鶏肉?は、鳥肌がついていて、あれも気持ちが悪かったです。

川魚は、川に大量の魚が死んで浮いているのを見てダメになったし、ウナギは、やはり父親が生きているウナギをさばいているのを見て、さばかれてもまだ苦しそうに動いているのがだめでした。

考えてみれば、豚肉でも牛肉でもマグロでも、さばかれているところを子供のころに見なかっただけで、残酷なわけですが、見ないものは残酷ではないようです。

ウナギなんか、昔から高級な食べ物ですが、家族がウナギの時は、私だけが、かつ丼とか焼きサバを食べていました。

今でも鶏肉とかウナギとか内臓とかゲテモノは食べませんが、精神的なものですから、知らないでいれば食べちゃうことはあります。

味で分かった瞬間やめることもあります。

ロンドンに行ったばかりのころ、自分の部屋が見つかるまで、知り合いの部屋に居候をさせてもらったことがあったのですが、その知り合いが、当時ケンタッキーでアルバイトをしていて、仕事終わりにケンタッキーフライドチキンを持ち帰ってくるのですが、いくらおいしそうなにおいがしても、空腹でも勧められても食べませんでした。

仕事場に遊びに行ったことがあったんですが、衣をつけた鶏肉を圧力鍋でフライにするところで、蒸気がバルブから出るときが印象的でした。

当時のロンドンでは、夜中にケンタッキーのお店がよく襲われてガラスのウィンドウなどが割られていましたし、地下鉄でIRAによる爆弾テロも頻繁に起きていました。

何日かして、夜中にめちゃくちゃお腹がすいて、薦められるままつい空腹に負けフライドチキンを食べてしまいました。食べないはずのものを食べただけではなく、おいしいと思ったことが情けなくて、涙が流れました。

その後、皿洗いをしたレストランで、シェフがこっそり食べさせてくれたフォアグラのバターソテーもおいしく食べたし、空腹の前には好き嫌いも関係ないと知りました。

今貧困の問題もいろいろと話題の日本ですが、本当に空腹であれば、賞味期限が多少過ぎていても、関係ないですし、うっかり床に落としてしまったものでも食べちゃうでしょう。

あの戦後を生き抜いてきた日本人の子孫だから、その気になれば、まだまだ食べるものも仕事もある日本ではないかと思っちゃいます。

不法滞在の中国人なんか、人の土地とか河原で野菜を作ったり、無許可でシジミなどの貝を取って売ったりしているそうで、なかなかの生命力だと思います。

もちろん、不法滞在の外国人はどんどん捕まえて強制送還すべきでしょうけど、困った日本人が同じことをしたのなら、限度にもよりますが、生きるためなら許してもいいような気がします。