「お店の人に『何に使うのですか?』と聞かれたのですが、答えはありませんでした」
私が初めてパソコン(PC)を買ったときのことです。特別な目的があったわけではありません。ただただ、「好奇心」だけが私を動かしていました。
注文したパーツがお店で手際よく組み立てられていく様子を少し離れた場所から眺めながら、「パソコンというのは、こんな色々なパーツからできているのか」と知ったのが、私のPC人生の始まりでした。
当時の舞台は、タイ・バンコクにあるITの聖地「パンティップ・プラザ(Pantip Plaza)」。
Pantip Plazaの自分で撮った写真を過去の写真の中から探しているのですが、まだ見つかっていません。
Stablediffusion で作ったAI画像です。
ビル全体がパーツショップや怪しげな露店で埋め尽くされ、ハンダ付けの匂いと独特の熱気に満ち溢れていた場所です。ファミコンのゲームをフロッピーディスクで動かす不思議な機器(いわゆるマジコン)が流行しており、それがきっかけで私はPCとゲームの世界へ引き込まれていきました。
手元に届いたPCに最初から入っていたのは、英語のDOSと、おそらく海賊版であろう海外のソフトたち。Lotus 1-2-3、Ami Pro、CorelDRAW……。
その後、DOS/V(PC-DOS 6.3)の時代へ突入すると、快適な環境を作るための壮絶な「戦い」が始まりました。
当時は「コンベンショナルメモリ640KBの壁」という絶対的な制限がありました。
日本語を表示させ、英語やタイ語の環境を切り替えるために、自作のバッチファイルを作ったり、CONFIG.SYS や AUTOEXEC.BAT を何度も書き換えたり……。ドライバを読み込む順番を1行変えては MEM コマンドを叩き、「よし、数KB空いた!」と画面の前で喜んだものです。
やがてWindows 3.1からWindows 95の時代へ。一太郎とATOKの黄金期を経て、Microsoft Officeが台頭し、ハードもソフトも進化するたびに「万札が飛んでいく」日々が続きました。メーカー主導の買い替えの波に揉まれ、「随分とお金を使ってしまったな」苦笑したことも今となっては良い思い出です。
そして、あれから30年近くが経った今。
私の部屋のPCの中では、最新の画像・動画生成AI(Stable DiffusionやWan2.1)が動いています。
クリーンインストールをして設定が初期化され、「生成にいつもの50倍時間がかかる!」と焦って設定ファイル(webui-user.bat)を開いたとき、ふと既視感を覚えました。
コマンドライン引数を書き換え、VRAM(GPUメモリ)のやりくりをするこの作業は、まさにあの頃、深夜に夢中になってやっていた CONFIG.SYS のチューニングそのものだったのです。
加齢とともに物忘れが増えたり、設定の手順でミスをしたりすることも増えました。しかし、今ではAI自身が頼もしい相棒となり、忘れてしまった過去のコマンドや設定の手順を優しく教えてくれます。
「何に使うのか」答えがないまま好奇心だけで飛び込んだあの日の体験は、決して無駄ではありませんでした。時代はDOSから最新GPUへ、一太郎からAIへと変わりましたが、「限られたリソースの中で自分だけの最高の環境を作り上げ、ワクワクする」という楽しみは、今も昔も何一つ変わっていません。
今日もまた、最新のAI環境と格闘しながら、美味しいお茶を飲んでゆっくりと自分のペースでPCライフを楽しんでいます。
Stable DiffusionやWan2.1などのローカルAI動画を快適に動かすなら、VRAM(GPUメモリ)が12GB〜16GB以上あるグラフィックボード(RTX 4070等)があるとストレスなく遊べておすすめです!

