2017年9月3日日曜日

旅行の形態

日本人は、古くから旅行が好きな民族で、神道と旅行とは、深い関係があります。

お伊勢参りに代表されますが、富士山や御嶽山など、山岳信仰も盛んで、近所の人たちとか家族を誘って出かけて行きました。

そうした旅には宿や食事や遊興施設なども必要で、一緒に発展をしてきています。温泉も、旅の目的としては、かなり重要です。

日本の旅行の基本は、団体旅行といっていいと思います。国内旅行でも海外旅行でも団体旅行が盛んでしたが、いつの頃からか、個人旅行も増えてきて、今では、個人旅行の方が、海外旅行では多いかもしれませんね。

個人といっても、一人とは限らず、数人で行く場合もありますし、個人の寄せ集めの団体もあります。

旅の基本は、まず移動手段で、昔の旅は、歩くのが基本。ですから、普通の人が歩ける距離ごとに宿が生まれました。

現在の国内旅行といえば、バスとか鉄道ですね。バス旅行は、便利です。

海外旅行となれば、もうほとんどは飛行機です。例外として船旅もありますが、まだまだマイナーでしょうね。

飛行機も、最近では、LCCが増えていて、かなり安く移動できます。

海外旅行の場合、基本、自宅から空港までの移動があって、空港での待ち時間もあります。飛行機に乗っている時間よりも、そうした国内の移動時間や待ち時間が長いときもあります。

目的地についても、入国手続きや預けた荷物を手にするまでの時間、そして、空港から宿泊先までの移動時間なども、なかなか疲れますよね。

海外旅行、特に個人旅行ですと、目的地の空港から宿泊先までが、けっこうたいへんで、トラブルも多いです。

宿泊先も、海外の場合には、ほとんどがホテルで、事前に予約している人がほとんどでしょう。ホテルは、超高級ホテルから、かなり安いところまでいろいろです。

わたしが、ヨーロッパに行った1970年代ですと、貧乏旅行をする人は、だいたいユースホステルに泊まりました。

一部屋に二段ベッドが4つとか10とかすごいところでは、体育館のようなところに簡易ベッドを数十並べただけのところもありました。

トイレとシャワーは共同です。

自炊できるところもあれば、朝食と夕食を有料でサービスするところもありました。

世界中から、若者たちが集まっていますから、知らない同士でもすぐにうちとけて、楽しい場でした。本には載っていない新鮮な情報もゲットできます。

当時の貧乏旅行者のバイブルは、一日5ドルの旅という本でした。

ただ、なれないうちは、外国人の強烈な体臭に苦しみましたが、でも、そんなの気にならなくなるくらい昼間歩いていますから、すぐに熟睡しちゃいます。

フランスのパリなんかでは、ユースホステルよりも、星なしの安ホテルの方が安かったです。わたしの泊まった星なしは、1泊11フランでしたが、友人は、1泊8フランのところを探して泊まっていました。確か、当時のパリ郊外のユースホステルは18フランだったと記憶します。

わたしの泊まった星なしホテルは、セーヌ川の南側カルチェラタンにあり、学生街といわれる地域で、ノートルダム寺院まで徒歩でわずかでした。

ロケーションは最高でしたが、ベッドには、人型の凹みがあって、寝返りがうてない状態ですし、トイレもシャワーも共同でした。

でも、カフェオレとクロワッサンの朝食付きで11フランは、当時としても格安でした。1週間ほど滞在して、地図を見ながらメトロを利用したり、とにかく歩き回りました。

究極の宿泊となると、キャンプとか野宿です。最近は、いろいろと規制されているようですが、わたしは、何度も常時携帯している寝袋で野宿をした経験がありました。

怖いのは、寒さよりも恐怖です。一人での野宿は、命がけの決意が必要です。あとは、空腹と喉の渇きで、水と非常食は必要です。

ロンドンでは、B&Bという形態、ベッドアンドブレックファーストというのが、普及していて、一般家庭の一部屋を朝食付きで提供している、現在のAirbnbのビジネスモデルが、すでにかなりありました。

最近流行りのビジネス形態は、既成のビジネスをインターネットにつながったスマホと専用アプリで結ぶサービスが多いですね。

GrabTaxiなんかも同じような形態で、それを個人の車に発展させたのが、Uberって感じかな。

個人の車に同乗させてもらうといえば、ヒッチハイクです。これは、うまくいくときは非常に便利ですが、危険もあるし、リスクもあります。

Airbnbなんかでも、Uber なんかでも、基本信頼関係の上に成り立つビジネスで、悪党が入ってくれば、非常にもろい部分もあります。

何かあったときの補償とか責任の所在が、これからの問題点でしょうね。

ドイツは、ヒッチハイクがしやすい国でしたが、一度など、アウトバーン(日本の高速道路)の途中で下ろされてしまって、下の一般道に降りるところも見付からず、空からは警察のヘリコプターから警告されるはで、大変な思をしたこともありました。

鉄道なんかだと、StudentPassとかEurailPassとかがありました。一定期間乗り放題の定期券です。こうしたサービスをネットで簡単に予約・購入できるサービスはすでにあるかもね。

船も豪華客船で行く船の旅でない、大型のフェリーというのは、意外と多いです。フィンランドからスウェーデンとか、スウェーデンからドイツとか、イギリスからベルギーとかは、フェリーで移動しました。

レンタカーやレンタルバイクもありますが、事故の危険はあります。

パリとかロンドンとかの大都市ですと、公共交通を利用して、あとは、地図を片手にひたすら歩くというのも楽しい旅行です。今ならスマホで充分でしょうね。

食べることも、現在のスマホ時代は、便利ですね。検索すれば、いくらでも見つけられるし、行き方もわかります。でも、こちらも、最近話題になった評価の真偽については、これからも話題になっていくでしょう。

観光に関しても、観光バスで乗り付けてガイドさんの説明を聞く方式だけでなく、個人でいく人も多くなるでしょう。時間にとらわれず、自分のペースで好きなところを見て回れますから、時間があれば便利です。

でも、ガイドがついていないとは入れないところもありますし、一人だと、いろいろと面倒だしリスクもあります。

旅行も、用意されたものから、自分の希望通りへと変化しているし、見るから体験するに変わってきています。

カルチャー教室系は、人気ですね。日本だと、着物着付け体験とか、武術入門とか、タイですと、タイ式ボクシング体験やフルーツカービング教室などが人気です。

写真や動画を撮ってSNSにアップするという目的での旅行も増えそうです。どこで撮れば見栄えがするのかを世界的に網羅するサービスなんかもビジネスチャンスかも。


















今は、座っていても、世界中のいろいろなことを調べられるし、疑似体験も出来る時代ですが、やっぱり、実体験は素晴らしいものです。

「書を捨てよ町へ出よう」とか「見る前に跳べ」とか、かっこいいフレーズが、背中を押してくれた時代でしたが、いろいろな体験は、視野を広げてくれるし、歳をとってからでは出来ないこともたくさんあります。

「若者よ旅に出よう」 ただし、期間限定で。