大きな地震で多くの人びとが死傷されたり、歴史的建造物が破壊されたり、王制が転覆されたり、21世紀に入ってからのネパールは、いろいろと混乱しているようですが、その前までは、ネパールといえば、ヒマラヤの国です。
首都のカトマンズは、標高1400メートルですから、盆地といえども、かなりの高度です。
インド大陸がアフリカから北上して、ユーラシア大陸とぶつかって出来た地球のシワがヒマラヤ山脈という見方もあるわけで、ネパールからは、海の生物の化石がゴロゴロ見付かります。
なんと言っても、海底が8000メートルも持ち上がっているところがヒマラヤですから、ものすごいエネルギーを感じます。
外国人に化石を売りに来るネパール人たち
ネパールといえば、お釈迦様が生まれたところでもありますが、お釈迦様の生まれたルンビニも有名ですが、場所は、インドの国境近くカトマンズからおよそ200キロほど南南西です。
ネパールの南部は、標高も200メートル以下の平地ですが、高温多湿のジャングルも多く、猛獣や風土病も多い地区です。
ネパールは、雨季に入ると、ものすごい雨量で、よく道路が遮断されます。
カトマンズから南回りの陸路でタイガー・トップス・ジャングル・ロッジを目指すも、道路が濁流に流された場所で道路が出来上がるのを待つ。(1991年7月)
標高の高いところにいる人たちを見ると、何となく、日本の昔に似た雰囲気もありました。
ネパール全体としては、インド系の人たちが多いし、ヒンズー教徒が多いのですが、チベット系の人たちや密教は、日本人に親近感を抱かせます。
ネパールに行く人の多くが、トレッキングや登山だそうですが、本格的に、富士山よりも高いところに行けば、高山病も心配ですし、危険も多いです。
気圧が下がり、酸素濃度も低くなるので、呼吸も困難になるし、動きも反射も悪くなります。
よく言われることですが、高度が100メートル高くなると気温は0.6度下がるそうです。1000メートルだと6度、5000メートルだと30度も温度は下がることになります。
そんな標高5000メートルまで上り、毎年1月1日に、氷を割り、フンドシひとつで寒中水泳をした人が、大沢茂雄さんです。
大沢さんが送ってくれた写真
大沢さんが、送ってくれた漢詩
1980年から80歳を超えるまで30年間続けたそうです。
大沢さんは、とにかく、声の大きな人で、山中で遭難したとしても、麓から助けを呼べるくらいの人です。話が大好きでした。
日本のテレビや新聞でも取り上げられたことのある有名人でしたが、日本から、毎年、リンゴの苗木を抱えてネパールに行っていました。リンゴだけでなく、桜の苗木も運んだようです。
日本には、大沢さんのようにたった1人で信念を持って行動をする偉人が大勢いますね。