無知をさらけ出すようで恥ずかしいのですが、「真珠の首飾り戦略」というのを知りませんでした。
最近は、「一帯一路」の方は、よく耳にしますが、「真珠の首飾り戦略」というのは、はじめて知りました。
一帯一路の陸の部分は、中国からヨーロッパへと続くシルクロードで、それに対して、海の方にあるのが、「真珠の首飾り戦略」ということらしく、香港から東シナ海を南下して、カンボジア、マラッカ海峡、ミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、パキスタン、アラブ諸国、アフリカ東部とインド大陸にかかる首飾りのようなルートなんだそうです。
これに、インドネシアとか、オーストラリア北部とか、いろいろな拡大もあるようです。
中国は、中東からの原油を安全に運ぶために、船舶の中継地点をおさえ、湾岸設備へ投資し、そこに運営会社を作っているわけですが、戦略的に、国家財政の苦しいところに、美味しい話を持っていって、投資した分を回収する段になって、お金を返せないのなら、運営権を全部くださいとやっているようです。
まるで高利貸し “借金のカタ”でスリランカの港を奪った中国のやり口とは
中国としては、当然の戦略でしょうけど、やり方が露骨で、反発も出てくるのではないかと思います。
オーストラリア北部ダーウィン港なんかも、中国からの多くの観光客が来て、お金を落とすからなどと美味しい話に乗せられ、スリランカと同じ運命か?といった話もあるようです。
中国にとっては、仲の悪いインドが、頭痛のタネで、インド包囲網でもあるように見えます。
最近話題になっているミャンマーのロヒンギャ問題でも、実は、中国のパイプライン建設と道路の整備、港湾整備プロジェクトが関係しているという話もあります。
ミャンマーとバングラデシュとの国境付近の港から、パイプラインで直接中国に原油を送れたら、それは、中国にとっては、大きなメリットです。
日本も、かっては、マレーシア半島の付け根部分にあるクラ地峡に運河を建設して、マラッカを通らなくてもいいようにと計画していましたが、実現されず、今は、ミャンマーのティラワ国際港から、陸路でタイ、カンボジア、ベトナムまで運ぶプロジェクトが進行中です。
どこの国も、マラッカ海峡など通りたくないわけですが、シンガポールに大きな利権を持つ、国際的な巨大企業群が、いろいろな妨害をしてきた歴史もあるようです。
高速鉄道でもそうですが、日本が先行して計画すると、豊富な資金力で、中国が、競合し、落札し、日本は、どんどん取り残されています。
日本国内でも、中国企業が、水源地を手に入れたり、かなりの不動産が、中国資本のものになっているそうですが、原発や自衛隊基地の近くの土地を自由に外国人に所有させていいのでしょうかね。
中国は、軍事力だけでなく、経済力や、移民などを使って、中華大帝国を建設していくのではないかと妄想すると、恐ろしいです。
日本には、中国から、侵略されても、ハイどうぞと領土をさしだした方がいいと考えているような恐ろしい人も実際にいるようですから、そちらの方も恐ろしいです。