昨日は、各政党の首相候補の受付締め切りで、現首相のプラユットさんが、Palang Pracharath Partyからの指名を受けることを了承しました。
昨日までの話題は、プラユット現首相が、Palang Pracharath Partyからの首相候補指名を受けるかどうかに注目が集まっていましたが、その前の、2月8日午前9時10分(タイの人たちは、こういった数字の羅列にもこだわります)、現国王のラマ10世のお姉さんであるUbolratana Rajakanya王女(67歳)が、タクシン派のThai Raksa Chart Partyの首相候補になると公表しましたから、もう蜂の巣をつついたような騒ぎでした。
Ubolratana Rajakanya王女は、ラマ9世陛下の長女で、頭脳明晰で、アメリカのMITで原子力について学んでいて、最終学歴は、修士です。
MITのクラスメート、スウェーデン系アメリカ人の男性と結婚をして、1男2女をもうけています。
外国人と結婚をした王族は、王室から離れるということで、今回の首相候補になる件でも、王族ではなく、一般市民として、被選挙権を有しているといっています。
しかし、ご主人と離婚してタイに戻られてからは、王族としての扱いを受けてきているので、国民の中には、首相候補には相応しくないとの声も上がっていました。
まして、多くの人たちから嫌われている、タクシン・インラックの政党からの首相候補ですから、賛否両論で、大騒ぎでした。
結局、首相候補としての資格があるのかどうかは、選挙管理委員会から来週の15日に下されるそうです。
そんな中、急に、王室管理局から、公式な発表が出てきました。
ラマ10世陛下のコメントとして、「Ubolratana Rajakanya王女が、王籍から離れているといっても、実際には、王族としての地位にあり、ラマ9世の娘として、王族の一人として行動してきたわけで、タイ王室の慣例をみても、タイの王族が、政治に関与することは、相応しいことではない。」とはっきりした見解を述べられました。
この先、選挙管理委員会が、どんな結論を出すのかわかりませんが、ラマ10世に逆らうようなことは、考えにくいです。
タクシン派としては、もしかすると、こうなることは想定内だったかもしれません。今回の件で、大きな宣伝効果はあったわけですし、首相候補になれなかった場合でも、Ubolratana Rajakanya王女が、タクシン派を支持しているという事実に変わりは無いわけです。
ただし、今回の件で、ますますタクシン派を嫌う人のいるのも事実で、彼らからすれば、あれだけラマ9世を批判し、王制を倒さんばかりだったタクシンとラマ9世の娘が手を組んだことは、理解できないようです。
バンコクの気温も上がってきました。政治の方もオーバーヒートしないことを祈ります。