昨日のタイ下院議会は、いろいろとありましたが、最終的には、民主党の最高顧問であるチュワン・リークパイが、議長に選ばれました。
下院の議長は、議事進行に大きな力を持ちますから、どの政党の誰がなるかは、重要です。
昨日の臨時の議長は、最高齢のチャイ・チットチョープ氏でしたが、なんと91歳なんですよね。でも、記憶力も判断力も少しも衰えていなかったです。
ちなみにチュワン氏も81歳と高齢ですが、彼は、70歳くらいに見えますね。
昨日のハイライトは、まず、新未来党のタナトーンが議場に来ていましたが、議長から、憲法裁判所が、議員資格の停止命令を出しているから、退出するようにと促し、議場から出て行きました。
そして、議長選びがはじまりましたが、国民国家の力党の内部で足並みがそろっていなかったようで、議長選びを延期すべきかどうかで紛糾しました。
国民国家の力党には、元タクシン派で、新未来党のタナトーンの叔父さんにあたるSuriya Juangroongruangkitがいるんですよね。そして、彼のグループが、30人くらいいるらしく、民主党やタイ威信党とのポスト配分に対して、不満があって、意見が通らなければ、タクシン派に付くとか言ったとか言わなかったとか。
スリヤは、タクシン政権の時には、副大臣と工業大臣や運輸大臣を経験していて、利権のうま味を熟知しています。
当時、スワナプーム国際空港に関して、かなり儲けたと噂されています。
そんな彼は、利に聡いですから、今は、タクシン派よりも反タクシン派が美味しいだろうと、国民国家の力党に入っています。
それでいろいろと裏での取り引きとか駆け引きがあったんでしょうね。
それにしてもタイサミットグループ関係の政治家は、かなりの人数になってきていますね。
民主党も、国民国家の力党との連立に関しては、いろいろと条件を出しているようで、チュワンとかアピシットは、表面上は、連立に反対のようです。
選挙の時の発言などもあるから、プラユットを支持しますとは言えないと思います。
で、とりあえず、議長選びを継続してやるか延期するかの投票になって、結果は、継続するがタクシン派など248票、延期するが246票で、議長選びが継続となりました。
投票結果が発表される寸前に5名が、自分の意見を変更すると言いましたが、もめにもめたあげく、変更は認められなかったです。
反タクシン派の方は、まだ連立内での調整が終わっていないからと延期を希望したようです。
しかし、表向きの議会でのタクシン派の議席は245で、タナトーンが抜けているから244議席ですが、誰かが、裏切ったと言われています。
国民国家の力党などが推すチュワンと、タクシン派7党が推すソンポン氏との一騎打ちになり、235票のソンポンに対し、チュワンが258票を獲得して、議長に選ばれました。
こちらも、タクシン派の方から、反タクシン派に5~6人の票が流れたのではないかといわれていて、いったい誰が裏切り者「コブラ」かと話題になっています。
今日の議会は、同じようにチャイ・チットチョープ氏が議長を務めて、第1副議長と第2副議長選びが行われています。
こうした選挙の人数を見れば、裏切り者の数も徐々にはっきりしていくことでしょう。
議場はある意味アピールの場ですから、新未来党の議員たちが元気いっぱいです。
書記長のピヤブット、広報のパンニカ・ワニッチ、ピヤブットの弟子のRangsima Romeなどが、目立とうとしているようです。
とにかく、一応、5年ぶりに選挙で選ばれた下院議員たちによる議会ですし、議会内での議論は激しくて当たり前ですが、くれぐれも路上での暴力闘争だけはしないで欲しいですよね。
タイ国民発展党の党首でバンハーン元首相の娘ガンチャナー・シラパアーチャーが、どうして国民国家の力党との連立に参加を決めたかについて、国民国家の力党がタイを混乱させる可能性が一番低いと思ったからといっていました。