昨日の国会は、首相を選ぶために、反タクシン派が推すプラユット首相とタクシン派が推す新未来党の党首タナトーンとの一騎打ちになりました。
お互いに、首相になる資格があるのかと意見が戦われましたが、プラユット首相への批判の方が多く、投票が行われるまでに13時間を費やしたそうです。
投票は、議員の名前を呼ばれたあと自分が推す人の名前をマイクを通して発表するスタイルで、上院の定数は250ですが、1人病欠だったそうで249名、下院は、定数は500ですが、新未来党のタナトーンが議員資格停止中で、もう1人病欠がいたそうで498名、合計447名による選挙なんですが、議長と副議長は投票権がないそうです。
結果は、すでにいろいろなところで報告されていますが、下院ではタクシン派7党が推すタナトーンが244票、プラユット前首相が251票を獲得し、上院ではプラユット氏が全員の249票を獲得。
トータルで、タナトーンの244票に対し、プラユット首相が500票で、プラユット首相が再選となっています。
まあ、すべて反タクシン派のシナリオ通りと言えますね。
いろいろな見方や批判はあると思うけど、一応、批判の多い憲法も、国民投票で支持された憲法ですし、下院でもわずか7票差であっても、一応、選挙で選ばれた下院の半数以上から支持された首相ですし、それを民主的ではないとは、批判しにくいでしょうね。
これからは、タクシン派も、軍事政権と批判も出来ないし、自分たちだけが、民主派とも言えないわけです。
これを含めて、シナリオ通りと言えますね。
今回、裏切り者が出るのではないかといわれましたが、タクシン派からも反タクシン派からも、一応裏切り者は出ませんでしたが、ただ、たった1人、タイ威信党のシリポン議員が、党の決定、プラユット支持に対して棄権しています。
あの揉めに揉めた民主党でも、党がプラユット支持を決めたら、それまで反対していた人たちも、議員を辞任したアピシットと議長のチュワン以外は、全員、プラユットを推しました。
ですから、なぜ棄権したのか、これから党内でいろいろと問題になりそうです。
今国会も、プレーム元首相の喪に服し、ほとんどの議員が、喪服に準ずる服装なんですが、なんといっても、ラマ9世やプレーム元首相やアピシット元首相は、タクシン派が嫌っているわけで、新未来党の広報パンニカ・ワニッチ(Pannika Chor Wanich)さんの服装が、派手すぎるのではないかと批判されました。
彼女は、派手好きというか、かなり自己顕示欲が強そうですね。POEMというブランドの服だそうですが、値段まで高いとかいわれているようです。
彼女も相当な負けず嫌いのようで、反タクシン派の有名な検死女医Khunying Pornthip Rojanasananのトレードマークのピンクや紫色の髪について噛みついています。
とにかく、首相が決まったので、次は、組閣です。問題なく決まるのかどうか、興味深いです。
それから、タナトーンの資格問題や、新未来党の解党問題も注目ですが、プラユット政権がシナリオ通りに決まったから、よけいな問題を起こさせないためにも、無罪放免になるような気もしますが、どうかな?
タクシン派は、すぐに街頭にでて、抗議活動や過激なことをしかねないですから、危険です。
平和が一番です。