左に偏っていると評判のサンデーモーニングですが、今日は、国立情報学研究所社会共有知研究センター長の新井紀子さんが登場しました。
新井紀子さんといえば、AI・ロボットの専門家で、NHKスペシャルで孫正義さんに資本家は、もっと法人税を払うべきだと言ったことで、評判になった女性です。
彼女は、東大合格を目指すAI「東ロボくん」の開発に携わったものの、現在のAIでは、東大に合格できる程度の読解力を身に着けることは不可能と判断されたことから、「教育のための科学研究所」を設置し、中高生の読解力を調査する「リーディングスキルテスト」を実施しています。
今日のサンモニの中で、参議院選挙に対するコメントを求められたときに、彼女の調査では、高校生の半数以上が、簡単な文章が何を言おうとしているのかを理解できないまま卒業しているので、いくら、マニフェストとか選挙公報で何を主張したところで、理解できない人たちが多いことが問題だと言っていました。
深い理解力が無いと、聴き心地のいい雰囲気に流される危険性があると言うことで、SNS世代には、有効な方法でしょうね。
スマホ世代やSNS世代は、自分たちの正義を信じやすく、仲間同士だけが集団を作り、他人や違った意見を受け入れず、過激になっていく傾向もあるそうです。
若者たちだけでなく、政治的な右も左も、同じですよね。
ポピュリズムと簡単で刺激的なフレーズといえば、小泉さんでしたね。今でも、この手法は現役ですし、もっと効果的かも知れませんね。
AI・ロボットは、読み書きそろばんは得意でも、書かれている文章の意味を理解することは苦手だそうです。
要するに、書かれている文字を読み上げ、それを外国語に翻訳したりすることは得意でも、その文章が何を意味して、何を主張して書かれているのかを理解できないようです。
それと、AIの特徴として、ビッグデータという大量の情報が無いと判断できないのだそうで、人間が一目で、今までに見たこともないものでも表現したり描写する能力があるのに、AIは苦手だそうです。
AIは、データが無ければただのゴミです。
もう一つの特徴は、集められたビッグデータの正確さで、それが正確である前提で判断されているから、悪意を持って間違った情報を加えてしまえば、判断も間違ってしまうわけです。
簡単な例としては、グーグルなどの検索エンジンは、私たちが検索する単語を集めているわけですし、ブラウザーも、どのサイトを見ているかを記録しているわけです。
ですから、サイトによっては広告が表示されますが、自分が過去に調べたモノが表示されてびっくりすることがあるわけです。
個人が興味を持っている商品を表示させた方が、購買する確率が高いことから、そうしたビジネスモデルが出来上がっているわけですが、例えば、時々エロサイトを見ていることがばれるのは困ると思ったら、検索などで追跡されないように、クッキーを定期的に削除するとか、受け入れを拒否するとか、いろいろと研究すれば方法もあるようです。
自分が興味ないところにワザと行ってみるとか、嘘の情報を混ぜることは、検索精度を落とすようです。
日本人が、間違っているのは、新しいテクノロジーを安易に盲信してしまう危うさではないかと思います。
自動運転とかAIとかに弱くて、盲信するか全否定するかの「全か無か」の選択になりがちです。
全能のテクノロジーなんかあるはずもなく、長所もあれば短所もあるわけで、プログラムにはバグもあるし、電気や通信の障害があれば、もろいモノです。
日本に必要なのは、IT技術や外国語以上に、まず日本語の読解力です。いろいろな本をいっぱい読んで、音楽やスポーツなどの趣味をいろいろな体験をしてみることも大切でしょう。これを忘れたら、AIに使われる側になってしまうし、政治家や資本家の道具になってしまいます。