2022年8月15日月曜日

タイの話 その3

 一般の日本人が海外旅行をするようになったのは、やはり1970年代になってからだったのではないかと思います。

1ドル360円だったのが、徐々に円高になって、海外旅行もお安感が出てきたことが大きかったでしょうね。

最初は韓国や台湾やグアムやハワイなどだったと思います。

農協ツアーといわれた地方の農家の人たちの海外旅行も増えてきて、お土産に洋酒とか洋もくとか高級プランド品をいっぱい持った人たちが空港にいました。チョコレートとかドライフルーツなども。

そして、企業の海外進出も増えて行って、海外駐在員も激増していきました。

タイには、繊維関係や自動車関係などの進出が早くて、私が初めてタイに来た1976年に盤谷日本人商工会議所が発行したタイ国経済概況を見てみたら、以下のような企業が活躍していたようです。

商事・貿易が75社、現地製造が103社、製造会社駐在員事務所が31社、土木・建設・施工が10社、航空・運輸が6社、金融・保険・証券が22社、広告・印刷・書籍が9社、旅行が7社、ホテル・レストラン・サービスが13社、検査・不動産・百貨店が7社、政府関係機関が8、団体が2となっています。

と300近くの会社や団体がありました。

1977年の泰国日本人会の会員名簿を見ると、正会員が2371名で、準会員が98名、賛助会員が207社となっています。

タイとのかかわりを持つ日本人にも、駐在員から旅行者から国際結婚や留学など、さまざまです。

そして、タイが初めての外国である人もいれば、ほかの国々に滞在した経験を持つ人もいます。

ほとんどの日本人にとっての海外は、まさに異国で、見るもの聞くもの食べるもの、みんな珍しいわけですが、特に初めての旅行とか初めての駐在であれば、その驚きは、ものすごいようです。

タイには、戦前からタイで暮らす人たちも多くて、いろいろな歴史がありますから、日本人が必要な日本食材や書籍やサービスも古くから意外と充実しています。

今でも昔でも、マウントを取る日本人たちというのはいるわけで、一流会社の駐在員が、個人企業や国際結婚をしている日本人を見下すとかは有名な話です。

あとは、タイが長い人がまだ来たばかりの人を見下すとか、タイ語や英語のできる人が、できない人を見下すとか、欧米の滞在経験のある人が東南アジアしか滞在したことのない人を見下すとか、もう日本人として恥ずかしくなるようなことも実際にあるわけです。

有名大学の卒業生たちの集まりとか、県人会とか、宗教団体とか、まあ、日本の縮図のようなところもあるそうです。

住んでいる場所とか、家族構成とか、持ち家やコンドミニアムの自慢とか、SNSの普及で、いろいろな自慢多くなっているようです。

まあ、自慢することは悪いことでもないと思いますし、マウントを撮りたくなり気持ちも理解できますが、大切なことは、「そこに愛はあるのかな」でしょうね。

バブル以降には、旅行者でもないし、仕事をしているわけでもないといった謎の人たちも増えてきたし、現地採用といわれるジャンルの人たちも増えてきています。

日本で犯罪を犯して海外逃亡をする目的地の一つとしてもタイやフィリピンは有名です。

以前は、物価も安く、滞在に必要なビザも簡単だったりして、一説では、10万人を超える日本人がタイで暮らしているともいわれていましたが、コロナもあったし、物価も高くなったし、ビザの制限も厳しくなっているしで、たぶん、かなり減ってきているのではないかと思います。

コロナも終わりつつあって、タイに旅行する日本人も増えてきているそうですし、タイで仕事をして滞在したい人も増えているそうなので、また、日本人が増え始めていくのでしょう。

犯罪に巻き込まれたり、病気やケガをする日本人がいませんように。