2022年9月17日土曜日

桃太郎の話

日本の数あるおとぎ話の中でも「桃太郎」の話は、老若男女を問わず、知らない人はほとんどいないでしょうね。

桃の実から生まれた男の子「桃太郎」が、お爺さんお婆さんからきび団子をもらって、イヌ、サル、キジを従え、鬼ヶ島まで鬼を退治しに行く物語ですが、日本国内には、いろいろな説もあるのだそうです。

川を桃が流れてくる話だけでなく、赤い箱と白い箱、黒い手箱の場合や、箱の中に桃が入っている場合もあるそうで、桃の割れる経緯についても「たんす」や「戸棚」や「臼」に入れておいた桃が自然に割れて男児が誕生するなどがあるそうです。

お爺さんとお婆さんの期待通り、大きくなって働き者に育ったとする場合もあるけど、三年寝太郎のように力持ちで大きな体に育つが怠け者で寝てばかりいるとする話が主に四国・中国地方にみられるそうです。

桃太郎の話といえば、岡山県が有名ですが、ほかにも、香川県、岩手県、越後、佐渡、福島県、広島県、愛媛県、東京北多摩、山梨県などにもあるそうです。

桃太郎の起源についても諸説ありますが、個人的には、インドのラーマヤナ物語が、仏教などと同じように中国を経由して日本に伝わったのではないかと思います。

タイにもラーマキエンという物語がありますが、オリジナルはインドのラーマヤナです。

ラーマヤナ物語は、ラーマ王子が、弟のラクシュマナや鳥族の王ジャターユスとサル族の戦士ハヌマーンと誘拐された妻のシータを取り戻すために、魔王ラーヴァナの王国ランカ島に討伐に行き妻を奪回する物語で、桃太郎との類似点もいろいろと指摘されています。

妻のシータが、妊娠しているのは、悪魔との不貞ではないかとの疑惑から、不貞を晴らす話が出てきますがが、日本には広がらなかったようです。

ハヌマーンに関しては、中国に伝わり、西遊記孫悟空になったとの説もあります。

仏教が代表ですが、インドの文化は、インド(ネパール)で誕生し、インド全土に広がり、それが南下するルートではスリランカに届き、そこから、ジャワ島やタイやクメールに伝わりました。

北上するルートは、チベットから中国に伝わり、日本にまで伝わりました。

インドは広大な国ですし、多くの民間信仰もあったので、民話も宗教も、混ざりに混ざって、実に興味深いです。

神様の色には、人種としての肌の色とか、悪魔の代表の神様とか、いろいろです。

ラーマヤナ物語では、悪魔は奥さんを奪い去ったのですから、悪者に違いないのですが、桃太郎の話では、どうして鬼が退治されなければならないのかの理由は不明です。

悪い奴と決めつけて退治しちゃうのは、現代では、許されないことですよね。

というのにも赤鬼とか青鬼とか緑鬼とか黄鬼とか黒鬼とかいるそうで、もしかすると、海外からの漂流者とか、海外から伝わったおとぎ話や怪談に出てくる怪物や妖怪なのかもしれません。

他にも、戦で負けた逃亡者たちとか、差別を受けている被差別民とか、いろいろな可能性もありそうです。