2022年10月12日水曜日

洪水の話 その6

雨季もそろそろ終わりで、来週あたりから朝の気温も少し下がってくるそうで、冷房のきくところでは、上に羽織るものも必要になります。

日本がタイからの観光客にビザの必要がなくなったことと円安で、タイから日本に行く観光客が激増だそうです。 

タイ国内でも東北タイや北部タイでは、これから、観光シーズンなんですが、今の洪水の被害は、最悪今年いっぱい続くとの話もあります。

洪水と中国からの寒気のダブルパンチで、せっかくコロナ騒ぎが去ったというのに、体調を崩す人が増えそうです。

例年のことを思い出すと、最後の雨がバンコクで降るのはだいたい20日過ぎで、11月に入れば、もうほどんど雨は降らないと思います。

しかし、バンコクとその近郊での洪水は、もう大雨による洪水ではなくて、チャオプラヤ河の氾濫による洪水で、まさに2011年と同じです。

海の潮位があがっているところに、上流からの大量の水が流れてきて、河が溢れます。

海抜が低いので、すぐに水に浸かって、なかなか排水されませんので、もう2か月くらい水に浸かっているところもあるそうです。

バンコクの北にあるアユタヤの水位は、1メートルから2メートルを超えるところもあって、そんなところでは、一階がすでに水面下で二階で暮らしているそうで、中には、もう2階まで水に浸かっているところもあるそうです。

当然小舟がないと生活できません。

2011年の時と同じか、もっとひどいところもあるそうですが、あの時と違うのは浸水被害の出ている工場の報道がないことです。

あの時には、自動車関係の工場とかハードディスクの工場、そしてカメラ関係の工場や飲料水の工場など、多くの工場が水に浸かって、大変な影響が出ました。

世界的なハードディスク不足や、車の部品不足、そしてソニーなどはデジカメの生産がストップしてしまいました。

たぶん、あの時の被害が甚大で、工場を移転させたり、工場のまわりに堤防を築いたり、いろいろな対策がされているから、まだ被害の報道がないのかな?

バンコクでも、今月の大雨の時に、道路が冠水するところとほとんど影響の出ないところに大きな差が出ました。

もちろん雨量に関係するわけですが、それ以外に、チャオプラヤ河に近いところやそこから通じている運河に近いところで、地盤が低いところに影響が出ていたようです。

過去の被害状況を見れば、だいたい想像できることで、今回だけに限ったことではありません。

チャイナタウンからシーロム、サートン、ラマ4、スクンビット、そしてバンナーからパタヤまでは、地盤が低いようです。

雨が降らなくても、チャオプラヤ河の両岸の低いところは、当分の間、特に満潮時には水に浸かったままでしょう。

昔は、水田や運河に水をためることができていましたが、水田は宅地や工業団地になっているし、運河も道路になったところが多いですから、これからも、9月10月は、洪水の季節となるでしょう。

6月ごろから、北部や東北部に大量の雨が降った年には、今年のようなことになるでしょうね。

それを防ぐには、堤防を過去に氾濫したことのあるいたるところに建設するとか、建物を高床式に戻すとか、堤防で囲まれた住宅街を作って、外部とは水上交通にするとかでしょうか。