2022年9月19日月曜日

ヘンリー8世の話

エリザベス2世の国葬が行われた今日ですが、イギリスといえば、イギリス国教会という、ローマンカトリックから独立した宗教を持つ国です。

もともとイギリスには、アイルランドのケルト系カトリックと、イングランドのローマンカトリックの系列があったそうですが、16世紀のイングランド国王ヘンリー8世から女王エリザベス1世の時代にかけてローマ教皇庁から離別し、1534年に独立したイギリス国教会です。

エリザベス1世は、ヘンリー8世の次女ですが、ヘンリー8世は、とにかく何度(6度)も再婚をしていた国王で、1527年までヘンリー8世は敬虔なカトリック信者であったのですが、王妃キャサリンとの婚姻の無効を教皇に願うも、これを果たさず、ついには教皇権からの独立に向かったと考えられているようです。

1.キャサリン・オブ・アラゴン(Catherine of Aragon, 1487年 - 1536年):1509年結婚、1533年離婚はじめアーサー王太子妃。死別後、その弟ヘンリーと再婚。メアリー1世の母。結婚から20年余りを経た後に離婚。

2.アン・ブーリン(Anne Boleyn, 1507年? - 1536年):1533年結婚、1536年離婚エリザベス1世の母。元はキャサリン・オブ・アラゴンの侍女。離婚後に姦通罪と近親相姦の罪で ロンドン塔で刑死。

3.ジェーン・シーモア(Jane Seymour, 1509年? - 1537年):1536年結婚、1537年死去エドワード6世の母。元はアン・ブーリンの侍女。ヘンリーの後継者となるエドワードを出産したが、産褥熱により死亡。

4.アン・オブ・クレーヴズ(Anne of Cleves, 1515年 - 1557年):1540年結婚、同年離婚。ユーリヒ=クレーフェ=ベルク公ヨハン3世の娘。結婚後6ヶ月で離婚。肖像画があまりにも美化されていたため、初対面時にヘンリーが激怒したというエピソードが残されている。

5.キャサリン・ハワード(Katherine Howard, 1521年? - 1542年):1540年結婚、1542年離婚。アン・ブーリンの従妹。結婚1年半後に反逆罪で刑死。

6.キャサリン・パー(Catherine Parr, 1512年? - 1548年):1543年結婚、1547年夫と死別。学識高く、メアリー、エドワード、エリザベスの教育係も務めた。結婚3年半目にヘンリーと死別。

他にも事情はあったのかもしれませんが、イギリスが、ローマンカトリックから破門されて独自の国教会を作るようになったのは、ヘンリー8世が離婚をしたかったからで、かなりのド助平だといわれたりしています。

フランス人とかアイルランド人は、どこかでイギリス人をバカにしているところもあって、その原因がこのヘンリー8世の好色だとも言われているようです。

当時の上流階級では普通だったのでしょうし、別に律義に離婚を認めてもらう必要もなかった時代かもしれませんが、まあ、歴史というのは、いろいろな見方があるわけですね。

こうした人物ですから、シェイクスピアの戯曲から、オペラや小説や映画などにも何度も扱われてきています。

私は、ビートルズやローリングストーンズと同じころに知ったハーマンズ・ハーミッツの"Henry The VIII, I Am" で初めて知りました。

日本語タイトルは「ヘンリー8世くん」でした。

歌詞は、

私はヘンリー8世です (I'm Henry the eighth I am)

私は隣家の未亡人と結婚した(I got married to the widow next door)

彼女はこれまで7回結婚しているんだ (She's been married seven times before)

みたいな感じで、イギリス人は、王族をけっこうからかったりした歌が好きなようです。

ビートルズのポールが歌ったアビーロードの最後の曲もかなり話題になっていますよね。

Her Majesty’s a pretty nice girl                                 

But she doesn’t have a lot to say

Her Majesty’s a pretty nice girl

But she changes from day to day


I want to tell her that I love her a lot

But I gotta get a bellyful of wine

Her Majesty’s a pretty nice girl

Someday I’m going to make her mine, oh yeah

Someday I’m going to make her mine

私は個人的には、英国の歴史について、いろいろと考えているところもあるわけで、植民地に対する扱いなどもひどいものだったと思いますが、エリザベス2世は好きでした。

安らかにお休みください。