今日、3月7日の午後3時から、タイの憲法裁判所が、タイ国家維持党に解党命令を出しただけでなく、タイ国家維持党の役員に10年間の公民権停止と、10年間にわたる新党設立禁止とタイ国家維持党の党名使用の禁止を出しました。
憲法裁判所の判事は9名で、解党に関しては9-0で決まったものの、公民権の停止などに関しては、10年間、20年間、終身と意見が分かれたようで、最終的に、6-3で、10年間と決まったようです。
それから、解党に伴い、タイ国家維持党から出馬している、比例代表と小選挙区の候補者282人が、候補者としての資格を失いました。
この党は、タクシン派の中で、比例代表に焦点を絞り、ラマ10世陛下のお姉さんを首相候補として指名し、国民の人気を獲得し、比例代表で、多くの当選者を出す戦略でしたが、ラマ10世による、王族の政治への関与は、ひかえるべきだとのお言葉で、戦略は、失敗し、この件で、王族を政治に巻き込んだことは憲法違反だと、解党すべきだと起訴されていたわけです。
まだ、タクシン派のメインの政党、タイ貢献党があり、小選挙区の方では、東北部と北部を中心に約130議席をとるだろうと予想されています。
今回のタイ国家維持党の解党で、この党への票が、タイ貢献党にどのくらい流れるかに注目が集まっています。
タクシン派には、「新未来党」という若い世代にアピールする政党もあるのですが、こちらも、党首が、経歴に嘘があったと起訴されています。
他にも党首のタナトーン氏と幹部2人がコンピューター犯罪法違反で起訴されました。フェイスブックなどに投稿していた映像に問題があり、国家の安定にダメージを与えたという理由だそうです。
もともと、タクシン派には、多くの反王制の人たちがいて、過去には、王制を批判するコメントを出していたりしていたようです。
とにかく、赤シャツが暴れるようなことがないことを祈るだけです。
赤シャツのナタウットには貧乏神が憑いているから、何をしても失敗すると思いますし、チャトゥポーンは、国家貢献党をやっているようですが、なんか資金難で、大変な状況のようです。
とにかく、タクシンには、多くの血族や親戚がいて、今回も、とんでもなくたくさんのタクシン派政党があるし、多くの候補者がいます。
今回の解党命令が出たタイ国家維持党の役員にも、タクシンの甥っ子と姪っ子がいるようです。この先10年間、被選挙権はありません。
意外と誤解している日本人がいるようですが、タクシン派の中には、多くの警察高官や軍高官がいます。タクシンが権力を握っていた時期には、彼の親族やタクシン派などが、異例の出世をしています。
軍や警察も、内部には、タクシン派と反タクシン派との権力闘争があります。
貧乏人の味方ではなく、貧乏人にエサをばらまいて、自分たちの利益を求める人たちです。
反タクシン派が正義だとも思わないですが、貧乏人とか社会的弱者の味方とか、民主主義を守るとかいいながら、汚いことをする守銭奴や売国奴は嫌いです。