IUUというのは、「違法・無報告・無規制漁業」(Illegal,Unreported and Unregulated fishing)の事だそうです。
具体的には
違法漁業・・・漁獲量や漁法に関する国内法や国際法に違反して行われる漁業
無報告漁業・・・法令や規則に反して漁獲量の報告が行われない、又は過少報告されている漁業
無規制漁業・・・便宜置籍船(管理措置が緩い国に登録された漁船)などによって地域漁業管理機関(RFMO)の規制を逃れて行われる漁業
要するに、世界共通の水産資源をみんなで守って、継続的にみんなで利用できるようにしましょうという取り決めのようです。
タイは、2015年4月に欧州連合(EU)からは、違法・無報告・無規制(IUU)漁業国への指定を警告する「イエローカード」が出されていました。
もしも、指定された期間内に改善されないと査定されると、EUへの水産加工物の輸出が出来なくなるという、厳しいモノでした。
タイの水産業といえば、日本人にとっては、海老の養殖が有名ですが、それ以外にも、いろいろな海域で漁業を行っていて、シーチキンの缶詰などは、世界中に輸出されています。
タイは、インドシナの中では、優等生で、経済発展も進んでいるので、隣国のラオスやカンボジアやミャンマーからの労働者が、ものすごい数なわけです。
海外からの労働者の多くが、タイ人が嫌がる厳しい職種で働くことが多く、安い賃金で労働基準法に違反するような苛酷な環境で働くことも多いわけです。
韓国の徴用工問題などと同じように、実際には、自分から求めて就いた仕事であっても、労働条件に対する不満があり、問題になることもあるわけです。
タクシン派政権から軍政に移行したことに関係があるのか、タクシン派の得意な、欧米からの圧力か?タイの漁業に従事する外国人の労働条件の劣悪さに関して、欧米から批判されたわけです。
詳細は、こちらのサイトを読んでください。
タイ:漁業における「奴隷労働」問題の背景
タイ政府は、この問題に関して、出来る限りの対策をして、改善に取り組み、なんとか、今年の1月に、イエローカードを取り消すことに成功しています。
アジアからは、韓国、フィリピン、スリランカ、台湾、ベトナム、タイ、カンボジアにイエローカードが出されていましたが、カンボジア以外は、すでに取り消されているようです。
人権問題とか報道の自由問題は、軍政に限った事ではなくて、タクシンやインラック政権の時であった問題なんですが、それを欧米からの圧力に利用するのがタクシン派の手法です。
日本の野党でもそうなんですが、政府を批判するのは難しいことではなく、国のため、国民のためなのかと首をかしげたくなるような攻撃するための政治になってしまうこともよくあることです。