日本が倭の国と呼ばれていた時代、弥生時代中期、紀元前150年くらいの昔、中国の書物に、倭人について書かれています。
倭人の倭については、諸説あるようですが、一般的に中国は、自分たち以外の国を軽蔑して蔑称で呼ぶことが有り、倭の国には、背が小さくて胸が厚く弓の得意な蛮族が住んでいるという記事もあるそうです。
そこで、江戸時代の木下順庵らは、小柄な人びと(矮人)だから倭と呼ばれたとする説を述べ、他にも「倭」を蔑称とする説もあるが、「倭」の字が悪字であるかどうかについても見解が分かれるところだそうです。
私の個人的なイメージですが、沖縄とか九州に多い縄文系の背は高くないけど、屈強で腕力の強そうな人たちというイメージです。
縄文人の男性平均身長は158cm、女性平均身長は149cmというデータもあります。
古墳時代には男性平均身長163cm、女性平均身長152cmというデータも。たぶん、この時期に大陸から弥生人が日本に入ってきたのではないかと思います。
そしてそれをピークとして、平安以降は平均身長は下がってゆきました。
平安時代初期の男性平均身長は161cmでしたが、末期には157cmに。
江戸時代になると、平均身長は男性で155cm~156cm、女性で143~145cmと日本史上最も低い時代だったようです。
江戸時代は、平和な時代で、体格が大きな事が社会的に優位ではなかったであろうことや、食生活で、肉食をしなかったことなども考えられます。
村社会の中、出る杭は打たれる社会で、目立たないことが優位だったのかも知れません。外見よりも中身の時代とも言えるかも。
戦前の日本人も身長は低く、タイでも、日本人のことを「チビ」といった蔑称で呼ぶこともあります。
明治33年の調査では、17歳の男性の平均は157.0cm、女性に至っては147.0cmしかなかったそうです。
ところが、戦後は、食生活も代わり、平均身長は伸び続けました。
しかし、日本人の平均身長は1978~1979年の男性171.5㎝、女性158.5㎝をピークに、以降20年間低下し続けているということです。
高度成長の終わりとともに、食生活も質素になり、ファストフードが増え、コンビニ弁当などを食べていることにも関係があるのかも。
日本の社会も閉塞感があって、のびのびとは暮らせない時代なのかも。
「背が高いほど“がん”に、背が低いほど“循環器疾患”になりやすい」なんてことも書かれています。
一般的に、赤道付近で暮らす人たちは、身長もさほど高くなく、北に行くにしたがって、背が高くなる傾向はあるので、もしかしたら、地球の引力にも関係するのかも知れません。
極が移動していて、日本が赤道に近付いている??
タイ人を見ていると、今のバンコクの若い世代には、背の高い人が増えている感じです。特に女性には、160センチを超える人が目立ちます。
栄養状態がいいからかな?
日本人には、外見よりも中身。「山椒は小粒でピリリと辛い」的な価値観が似合っているように思います。