2022年8月17日水曜日

タイの話 その5

日本とタイとの友好の歴史は400年以上とも言われていますから、いろいろな分野での交流も盛んです。

日本の大学にはタイ語学科のあるところもありますし、タイからの留学生や日本語を学ぶ語学留学生も多いです。

タイで滞在を始める人のほとんどは、初めてタイ語と接する人が多いわけですが、今のタイには、タイ語を教える学校もたくさんありますし、タイ語に関する本が、ものすごくたくさん売られています。

私がタイに来たばかりのころは、日本語とタイ語の辞書などは限られていましたので、最初は、英語とタイ語の辞書を使いましたが、日本人が増えてきてからは、日本語とタイ語の辞書も豊富で、医療関係や建設関係や製造関係の専門語用語辞典などもあります。

日本人にタイ語を教える教室は昔からありました。

先輩の方々が作られた、カタカナ・タイ語の冊子などもありました。このカタカナ・タイ語は、短期間でタイ語を覚えるには有用でも、正しいタイ語の発音ではない場合もあるので、その後、カタカナ・タイ語をバカにする風潮が、タイ語を学校で学んだ人たちの間ではじまりました。

どんな国の言葉でも同じだと思うのですが、その国の子供たちは、母親など、まわりからの言葉を聞いて、まず耳から覚えます。

耳から聞いた言葉を徐々に話せるようになっていくわけですが、最初は幼児言葉で発音も明瞭ではないですし、話せる単語も少ないわけです。

そして、学校に行く前後で書き言葉を覚えます。そのころには、聞くことも話すこともどんどん上手になって書くこともできていくわけです。

大人でも同じで、外国語を聞く力が重要だと思います。

日本人の場合には、英語は学校である程度勉強しているので、基礎ができていますが、英語以外の言葉を勉強するときには、とにかく聞く力がないと、なかなか上達しないと思います。

ドイツでゲーテ協会に行ったことがありましたが、授業はすべてドイツ語なので、最初は、先生が何を話しているのか全くわかりませんでしたが、徐々に耳が慣れてくると、ドイツ語が発音が明瞭であることもあって、意外と聞き取れるようになっていきました。

タイに滞在している人の中には、学校に通わず、耳から聞いたタイ語だけでタイ語を覚えている人たちもかなりいますが、タイ語の読み書きができなくても、タイ語を聞いたり話したりするのが上手な人も多いです。

もちろん、学校で読み書きを勉強している人たちは基礎ができているし、あるところからの上達はすごいわけですが、最初は、なかなか目に見えての上達はないわけです。

話す力や聞く力では、耳から覚えたタイ語の使い手にはかなわない場合もあるわけです。

冗談半分で、昔から言われているのは、外国語を覚えるのなら、その国の人とベッドを共にしてベッドトークをすることだそうです。

言葉には、いろいろな方言もありますし、流行り言葉もありますし、古語もあるし、宗教に関する言葉もあります。

タイには中国系のタイ人も多く、彼ら独特のタイ語もあります。

その辺も聞く力がないと、理解できないこともあります。

タイ人にはビジネスマンを中心に英語を話す人がかなりいますから、英語が話せたら、不自由なく仕事も日常生活もできることが多いと思います。

タイ人の中には、外国人とはタイ語よりも英語で話をしたがる人さえもいるようです。

最近のタイ人には日本語を話す人もかなりいますから、タイ人から軽蔑されるような話は慎んだ方がいいと思います。

日本語だけでタイに何年も滞在して、ほとんど不自由はないと豪語する人さえもいるそうです。

あと、日本人はタイ語に関しても、昔からマウントを取る人はいるわけで、自分が優れている自慢はいいにしても、他人をバカにしたりするのは、いかがなものかと思います。