2023年1月22日日曜日

アンゲラ・メルケル ドイツ連邦共和国第8代連邦首相の話

NHKの「ロックが壊した冷戦の壁」の続きなんですが、ニーナ・ハーゲンという東ドイツ出身の歌手がいたんだそうです。

Du hast den Farbfilm vergessen」という東ドイツ出身者の半分ぐらいが歌えるくらいの大ヒットを出した女性歌手なんだそうです。

恋人のミヒャエル君が、カラーフィルムを持ってくるのを忘れたから、記念すべき旅行の写真がみんな白黒になっちゃったといった歌だそうですが、その裏に、当時の東ドイツの暗い社会を連想させると感じた人が多かったんだそうです。

私は、東ドイツは車で通過しただけですが、一応東ドイツの入国スタンプはもらっています。

当時の日本のパスポートには、北朝鮮と北ベトナムと東ドイツ以外の国々で有効なパスポートと書かれていましたが、なぜか東ドイツに入れました。

当時はベルリンも東西に分かれていて、西ドイツから来た人たちは、東ベルリンには入れません。

当時の地下鉄は、駅によって、西ベルリンの駅と東ベルリンとの駅があって、東ベルリンの駅には停まりませんでした。

壁のこちら側には、当たり前の日常があり、壁の向こう側には、西にあこがれながら不満に満ちた日常があったんでしょうね。

のちにドイツの「鉄の女性」といわれ、ドイツ初の女性首相に就いたアンゲラ・メルケル首相ですが、彼女は、生まれは西ドイツの港町ハンブルグで、2歳の時に東ドイツに家族とともに移住していったそうです。

2歳では、いくら頭脳明晰のメルケルさんでも何も記憶はないでしょうね。

大学ではアインシュタインを理解したいと物理学を学んだそうですから、まあメチャ優秀だったんでしょうね。

彼女の祖父はポーランド人だそうで、大学時代には自転車でポーランド旅行をしたそうです。

尊敬するのは、ロシアのエカチェリーナ2世だそうです。

彼女の功績は色々とあるようですが、100万人を超える北アフリカや中東からの移民の受け入れに関しては、大きく賛否が分かれていて、移民による犯罪の増加、特に性犯罪の増加は、北欧諸国と同じように大きな問題になっているそうです。

彼女は、ベルリンの壁崩壊の時に、東ベルリンから西ベルリンへなだれ込んだ一団の中にいたそうですし、それまでに西側にも何度も行った経験があるといっても、自由を求めて移動する人たちの気持ちは理解できるわけで、どうしても、難民や移民側に同情した甘い考え方になっていたような気もします。

子供のころ犬に噛まれた経験があるので、犬を恐れていて、プーチン大統領との会談の時に、プーチンが飼い犬を連れてきてメルケルさんの足元に座らせ、彼女を驚かしたそうで、彼女は、さすがプーチン大統領は元KGBだけあって、人の弱みに付け込もうとするといったそうです。

プーチン大統領からすれば、ミンスク合意に関して不満があったのかもしれません。

2021年12月2日に国防省で行われたメルケル首相の退任式(Großer Zapfenstreich)での演奏曲三曲の一曲に「カラーフィルムを忘れたのね」を選曲しています。

メルケル元首相は選曲の理由について「この曲は青春時代のハイライトだった」と語っているそうです。

青春時代の思い出の曲は、だれもが忘れられないのでしょうね。

ちなみにメルケルさんとニナ・ハーゲンさんは、1992年にテレビでの若者の薬物についての討論会で語り合っていて、ニナ・ハーゲンさんが、メルケルさんの考えは甘いと罵倒し、その場から立ち去っている映像が紹介されています。

ニーナ・ハーゲンさんは東ドイツからイギリスに亡命し、パンクロックを通して自由や社会問題と向き合ってきた過激な女性です。