田舎で生まれ育った私には、井戸というのは身近な存在でした。
昔の田舎の家庭には、井戸があって、そこから生活用水をくみ上げて使っていました。
井戸掘り職人(さく井技能士)という職業もあって、牛にひかせたリヤカーに井戸を掘るのに必要な道具を乗せて、家にやってきて、井戸を掘ってくれました。
その土地にもよりますが、数十メートルくらいで地下水に届くようで、自然に地下水は噴き出してきました。
上の方5メートルくらいは、土砂で埋まらないように昔は石を積んだそうですが、私の子供時代には、コンクリートでできた直径1.5メートルほどの大きな筒状のものを何段か積み上げていました。
水位は、一定のところで止まり、くみ上げた分だけ、地下水が湧きだすという感じだったと記憶します。
私の子供時代にはすでに電動の水道ポンプがあったので、そのポンプでくみ上げていましたが、もう少し昔だと、滑車のついた桶でくみ上げていたそうです。
手動のくみ上げポンプもあって、テコの原理で、取っ手を何度も上下させると、水がくみ上げられる方式もあったと記憶します。
そんな井戸からくみ上げた井戸水は、夏は冷たく冬は暖かい水で、農家などでは、夏になると井戸の中にスイカを浮かべて冷やしていました。
ボウフラが湧くこともあるので、井戸の中で魚を飼っている人もいました。
昔は、衛生観念が今とは違いますから、免疫を強化するためには多少の細菌を身体に入れてもいいという価値観だったのでしょうね。
飲み水は、一度沸かして冷ませば、衛生的な飲料水です。野菜を洗ったり、洗濯をしたり、お風呂の水にするなどには、全く問題はなかったです。
話はちょっとずれますが、日本は、戦国の時代から、都市計画には、下水の価値観があって、各家々の横には側溝が通っていて、生活汚水はそこに流して、側溝から村の小川から河川に流れていく方式ができていましたので、世界中の国々と比べて、非常に衛生的で、伝染病も少なかったそうです。
ヨーロッパなどは、窓から表の道路に排せつ物を直接捨てていたそうです。不衛生ですよね。
この話は続きます。
