子供のころは、短距離走よりも長距離走が好きでしたし、柔道をやった時には、校舎の階段をⅠ階から屋上までダッシュしたりうさぎ跳びで上がったり、それなりに激しい運動をしても、特に異常を感じることはありませんでした。
バンコクで暮らし始めてから、突然のめまいとか息苦しさを感じることが複数回あって、バンコクの総合病院で検査を受けました。
検査の結果は異状なしだったけど、その後も気分が悪くなることが続き、ある時など、夜中に急に息苦しくなって、自分で救急車を呼んだくらいで、改めて精密検査を受けました。
その時の精密検査で、「心臓に異常がありますね」といわれ、目の前が真っ暗になりました。
英語での説明でしたが、RBBBという、心臓の神経の一つがブロックされている異常だということはわかりましたが、詳しいことは、いくら説明を受けてもわかりませんでした。
ネットで何でも調べられる現在と違い、40年ほど前の異国では、ただただ不安でした。
その後、不安の迷路に迷い込んだ話は、また別の機会に書くとして、その時から、心電図をとる機会があるたびに、このRBBBを必ず指摘されます。
バンコクで鬱状態で苦しんだ末に、タイ人の医師から、精神的なことは、やはり日本に帰って専門医に診てもらった方がいいとアドバイスをもらい、悩んだ末に帰国して、日本で精神科に行き、医師からのアドバイスで、心臓に不安があるのなら、まず心臓の専門の医師に診てもらった方がいいといわれたわけです。
それで、日本の総合病院の心臓専門医に診てもらいました。結果は、同じく、RBBBだということで、先天的な欠陥だけど、生命の危険はなく、日常生活は問題なくできることを説明してもらいました。
考えてみれば、気が小さく、心配性で、ちょっとしたことにもクヨクヨするけど、心臓が苦しくなったり、痛みを感じたりしたことはないわけです。
ドキドキするのは、だれにでもあることでしょうしね。
先生も、人間いつかは死ぬわけで、RBBBを持つ人でも持たない人でも、明日死ぬかもしれないし100まで生きるかもしれないわけだから、あまり考えすぎない方がいいといわれました。
ここが意外と大切なポイントで、「人間はいつか必ず死ぬことに間違いない」と気が付くと、むやみに死を恐れなくなるような気がします。
新型コロナでもそうなんですが、高齢者とか持病を抱えている人たちでしたら、誤飲性肺炎やインフルエンザと同じように、気を付けないと死ぬかもしれないけど、健康な人なら、よほどの症状がでるまでは、普通に気を付けて生活しているだけでいいような気もします。
心配のし過ぎは、かなり心身に悪いと思います。
余談ですが、心臓の検査の時には、通常の心電図だけでなく、トレッドミルという、今ならスポーツジムに必ずあるようなランニングマシーンのようなもので、その上で歩く速度を変えたり、傾斜をつけたりしながら心電図を取るわけですが、その時に、研修医たちが集団で部屋に入ってきて、「この心電図の異常がわかるかね」とか担当医から質問されていて、気が散りました。
その後、幸いにも不安神経症も治って、心臓の異常を感じることなく生活してきましたが、10年ほど前から、突然、脈が飛びようになりました。
音楽でいうところの一泊休み状態で、自分で脈拍を測ると、規則的に脈が打っているのが、突然、止まって、またすぐ規則正しく打ち始めることを何度か繰り返すことがありました。
これも最初に気が付いたときは、ショックというか、びっくりして、近所の医者に診てもらったほどです。
心電図を取り、RBBBですねと言われ、脈が飛ぶのは、いろいろなストレスとか悩みとか、原因はなかなか特定できませんが、失神するとか、何か重篤な症状がなく、日常生活ができるのであれば、さほど気を付ける必要はないでしょうとのことでした。
バンコクでの生活が長くなってからは、日本に帰国している時の方がストレスもあるようですし、加齢とか、両親の他界とか、いろいろとあれば、体調にも変化は出るのが当然でしょう。
そうした冷静な判断ができればいいのですが、こと健康に関しては、神経質になってしまうし、特に心臓に関しては、考えすぎてしまいます。