当時から世界最貧国のひとつだったバングラデシュですが、元ビートルズのジョージ・ハリソンが、当時大きな影響を受けていたインドの音楽家ラビ・シャンカール(ノラ・ジョーンズのお父さん)の話しを聞いて、バングラデシュの人びとが飢えに苦しんでいることを知り、友人たちに声をかけて、バングラデシュ難民救済チャリティーコンサートを開きました。
当時、すでにビートルズは解散し、メンバーたちは、個々に活躍していましたが、このコンサートに、リンゴ・スターも参加しています。他には、エリック・クラプトンとかレオン・ラッセルとか、昨年ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランも参加しています。みんなノーギャラで。
コンサートの収益やコンサートの映画やDVDやLPなどの収益も、すべてバングラデシュに寄付したそうです。
当時、ジョージは、まだ28歳。政治や信条を越えて、単に善意のコンサートというのが、素晴らしいと思います。日本のミュージシャンも、ロヒンギャ難民救済コンサートとかすればいいのにね。
インパール作戦(日本側作戦名:ウ号作戦)とは、1944年3月に日本陸軍により開始され7月初旬まで継続された、援蒋ルートの遮断を戦略目的としてインド北東部の都市インパール攻略を目指した作戦のことである。
最悪の作戦で、多くの犠牲者を出した作戦ですが、この援蒋ルートというのが、最近、また注目されてきています。
中国は、一帯一路構想で、中国から内陸と沿岸との2つの大きなルートでヨーロッパや中東やアフリカと結ぼうとしています。
そのうち、昆明からミャンマー西部ラカイン州の州都シットウェ(Sittwe)へのルートは、イギリスが、日本との戦いの中で開拓した援蒋ルートに重なります。
中国は、中東からの石油をこのルートに2つのパイプラインを建設して中国まで運ぼうと計画しているのです。海賊や海難事故の多いマラッカ海峡を通ることなく、短距離でつながります。
ミャンマーとバングラデシュの地図を見ると理解できますが、バングラデシュは、インドに囲まれるような形で、ベンガル湾の部分だけが、ミャンマーと国境を接していますが、バングラデシュの北部と北東部にはインドがあって、インドはミャンマーと国境を接しています。
インドもミャンマーも元はイギリスの植民地であったわけですが、イスラム教徒の多い地区が、東西パキスタンとして独立、その後、東パキスタンがバングラデシュとなっています。その時の混乱で、多くの人びとが飢え苦しんだので、ジョージたちがチャリティーコンサートをしました。
日本は、戦前からインドやミャンマーの独立派と手を結び、インドやミャンマーからイギリスを追い出そうとしていました。インドは、親日国です。東京裁判で、日本の立場を理解したインドのパール判事は、有名ですよね。
極東国際軍事裁判(東京裁判)において連合国が派遣した判事の一人で、判事全員一致の有罪判決を目指す動きに反対し、平和に対する罪と人道に対する罪は戦勝国により作られた事後法であり、事後法をもって裁くことは国際法に反するなどの理由で被告人全員の無罪を主張した「意見書」(通称「パール判決書」)で知られる。
ミャンマーのアウンサン・スー・チーさんのお父さんでミャンマー建国の父といわれるアウンサン将軍も日本の南機関に所属した親日家でした。
アウンサン・スー・チーさんは、日本の京大にも留学経験がありますが、亡くなったご主人はイギリス人で、お子さんたちは、イギリス国籍を持っています。どうも彼女は親日派でもないようです。
ミャンマーは、独立後、社会主義国として、旧ソ連や中国との関係が深かった国です。特に軍事政権時代には、中国の影響力も強くて、その関係は、今も続いているようです。
中国は、今、一帯一路構想といいながら、中国が重要と考える世界中の港湾に巨額の投資をしています。スリランカやオーストラリアの港などが有名ですが、借金漬けにして、中国の言いなりになる港作りと陰口をいわれています。
日本と韓国の例を出すまでもなく、世界中のほとんどの国境を接する国々は、仲がよろしくありません。中国とインドも、インドとパキスタンも、仲はよくないです。そこで、日本は、中国を牽制する意味でも、最近は、インドととても仲良しです。
インドもミャンマーを横断して、タイからベトナムへと続く、東西回廊の構想を日本と手を組んで進めています。こちらも、中国が横やりを入れています。最近のタイは、中国にかなり近寄っています。日本が計画した高速鉄道なども、中国が横入りしてきています。
日本が進めている南部経済回廊は、ミャンマーの南部にあるダウェイ港 (Dawei Port)から、タイの戦場にかける橋で有名なカンチャナブリを経由して、バンコクからカンボジアに入り、ベトナムのホーチミンまで続く道路のことです。
その北にあるのが、東西経済回廊で、ミャンマーのモーラミャインからタイのターク、ムクダハーン、ラオス、ベトナムのダナンへと続く道路構想です。
中国は、日本に主導させてなるものかと、いろいろな国で経済援助をエサに邪魔してきています。
こうした動きを見ると、何となく、戦争中のインパール作戦ではないですが、日本と手を組むインド、中国と手を組むイギリスといった構図を妄想します。
そして、話が、バングラデシュの難民救済に戻りますが、ミャンマーとバングラデシュの国境地帯に住んでいるロヒンギャ(ベンガル人)たちの問題に、中国の一帯一路構想と関係があるのではないかといった説も出でてきています。
中国と手を組んで一帯一路構想を進めるミャンマーの権力者、特に軍部が、計画地域で暮らしている人たちを立ち退かせるために、放火や虐殺をしているという噂もあるようです。
経済発展で、大きな利権も生まれます。大きな利権争いに、一般市民が巻き込まれます。
ミャンマーには、豊富な地下資源が眠っているそうですし、東西の交通の要になってきています。それ以外に、ミャンマーは、麻薬の生産国としても有名で、そういったビジネスに多民族間の争いが利用されることもあるようです。
“ロヒンギャ問題” 調べたら全然違うじゃねーか!
日本は、政治や信条を越えて難民救済や経済協力で、バングラデシュやミャンマーの貧困層や子供たちを救済していって欲しいですね。