タイの田舎とかバンコク郊外の新興住宅地などでは、時々目にすることがあるそうですが、最大で2メートル50くらいになるオオトカゲですから、一瞬、ワニかと思って、カラダが凍り付くでしょうね。
毒は無いし、人間を襲うことはないそうですが、危険を感じたら、襲ってくるかもしれません。
一般的には、小動物をエサにしているそうで、時には、ペットの犬や猫を食べるという報告もあるそうです。
ハイエナと同じように、死肉を食べるので、時に、人間の死体を食べることもあるそうで、古くから、人間からは、不吉だとか、忌み嫌われる対象でした。
タイ語では、トア・ヒアといわれるそうで、このヒアというのは、タイ人が喧嘩などの時に相手を罵倒する言葉で、むやみに使ってはいけない言葉といわれています。
こんちくしょうとか、運が悪いときにも使うようです。
中国語では、男性の名前とか名詞の前にアイをつけると、親しい間柄だと愛称だったり、蔑称だったりしますので、中国系タイ人が多いためかアイ・ヒアというのが、喧嘩の時の相手を威嚇する常套句だそうです。
ちなみに、女性の名前の前だと、イをつけます。売春婦の蔑称は、イ・トアで、こんな事を風俗街で言ったら、女性たちから袋だたきでしょう。もっとひどいのに、「金の花」というのもあるそうです。
話をミズオオトカゲに戻すと、トア・ヒアというのは、タイ人にとって、メチャ不吉だから、トア・ヒアを見たとか、トア・ヒアの話をするときには、トア・グン・トア・トーンと言い換えるようです。
グンは銀、トーンは金ですから、金さん銀さんという愛称でしょうか。金運がよくなるという祈りでしょうか。
昨日のテレビで、毎年恒例のルンピニー公園でのミズオオトカゲ捕獲のニュースをやっていました。
餌が豊富なようで、どんどん数が増えるので、時々捕獲して、地方の自然保護区に運んでいるそうです。
ヘビやカエルやネズミなどを好んで食するようです。ですから、人間にとっては、益もあるわけで、むやみに殺したりする人はいないようです。
タイ人は、毒蛇でも巨大なヘビでも、殺さず、捕獲後は、自然保護区に放っています。やはり、仏教徒で、殺傷を嫌うからでしょうね。その割りに、殺人事件は多いような気はしますが。
タイ人は、ミズオオトカゲを見かけても、不吉だからか、あえて注目しませんが、外国人は、興味津々、カメラに収めます。
巷の噂では、ミズオオトカゲを捕まえて売っている業者がいるという話もあって、皮を革製品にするとか、肉を食べるとか、生きたまま愛好者に売るとかが理由だそうです。
日本でも飼っている人がいるらしいですが、大きくなったり、危険な生き物は、近所迷惑でしょうね。
ルンピニ公園正面にある6世の銅像