2020年3月26日木曜日

「ノマド」ってなあに

最近時々「ノマド」って言葉を耳にしますので、調べてみたら、英語のnomadのことで遊牧民とか放浪者というのが、本来の意味らしいです。

でも、最近耳にする「ノマド」ってのは、ノマドワーカーとか海外ノマド生活とか、そういった意味での、会社外でwifiやインターネットを使って仕事をしたり、海外で、そういった仕事をしながら、のんびりと暮らすことを指すようです。

昔のモーレツ社員とか、ワーカホリックに対して、もっと自分の生活を楽しみながら仕事がしたいということらしいです。

オシャレなカフェで仕事をし、暑いときには涼しいところで暮らし、寒くなったら暖かいところで暮らすことが出来たら、そりゃあ素晴らしいわけです。

イメージとしては、金融関係とかIT関係で働く高学歴で高収入の若い世代という感じでしょうね。

話変わって、五木寛之さんという小説家がいますが、1960年代から70年代にかけて、一部の若者たちに大きな影響を与えた何冊もの本を出しています。

当時の世界中の若者たちに影響を与えたといわれる「フランス5月革命」や海外放浪の旅を題材とした魅力ある小説で、シベリア横断鉄道とか北欧とか、カルチェラタンとかを夢に見た若者たちもいたわけです。

5月革命は、日本の学生運動や日本のサブカルチャーにも影響を与え、当時の若者の中には、70を過ぎてなお、昔の幻想を追っている時代錯誤の左翼老人も少なくないようです。

下からの革命を含む抗議運動は、時として、新たな独裁者を生み出してしまうという危険性を含んでいて、リーダーの中には、倒されるべき、既成権力側の人がいることもよくあるわけです。

この5月革命は、「黄色いベスト運動」にも引き継がれているようですし、現代のLGBT運動やMe too運動などにも影響を与えているし、タイの左翼にも影響を受けている人が多いように思われます。

その五木さんは、デラシネという言葉をよく使っていました。

デラシネは、フランス語で、根なし草、転じて故郷や祖国から離れたもしくは切り離された人のことをさす言葉だそうです。

ジプシーとか難民とかフーテンの寅さんのイメージでしょうか。

ノマドが、中流から上流の放浪者に対し、デラシネは、下流の人びとというイメージもあるように思います。

海外生活者にも、いろいろとあるわけで、働かなくても豊かに暮らせる人もいれば、株や為替などの投資で悠々自適の人もいるでしょう。

企業の駐在員やその家族もいるし、留学生もいます。国際結婚をして海外で暮らす人もいますし、海外で引きこもっている人もいるそうです。

そうした海外で暮らしている人たちに、今回のような疫病が襲いかかると、みんないろいろと考えると思います。

海外で暮らすことのメリットとデメリット。家族の安全。自己責任。

最終的には、海外で死ぬ覚悟があるかどうかかも。