中国の思想家・孔子(紀元前552年~479年)は「礼節にそむくことに注目してはいけない。礼節にそむくことに耳を傾けてはいけない。礼節にそむくことを言ってはいけない。礼節にそむくことを行ってはいけない」と、四つの戒めを言ったそうで、それが日本に伝わったモノの、四猿は、死猿に聞こえるから三猿になったという説もあるそうです。
この四猿の像のうちのせざるにあたるお猿さんは、なんと股間を両手で隠しています。どうも、してはいけないこととは、性欲に負けて、背徳の行為をしてはいけないということらしいです。
これは、とても重要なことですが、どうも儒教の道徳観では、表に出してはいけないと、隠されてしまったのかもしれません。それこそ、「見ざる聞かざる言わざる」で省略されてしまったのでしょうか?
ちなみに、この三猿は、アジアだけでなく、ヨーロッパやアフリカにも似たような格言があるそうで、英語では、Three wise monkeysといい、「見ざる、聞かざる、言わざる」は「see no evil, hear no evil, speak no evil」と表現されるそうです。
賢い猿は、悪魔を見ようとはしないし、悪魔の囁きを聞かないし、悪魔と話すこともないということですね。
歳をとってわかったのは、人の話が、時々、聞こえにくいことがあります。ドラマを見ていても、聞き取りにくい言葉もあれば、聞き取りにくい俳優さんもいます。
もちろん、老眼で、モノは見えにくいですし、入れ歯を入れていなくても、徐々に、発音も不明瞭になることもあるようです。
要するに、歳をとれば、自然と三猿状態ですね。物事に執着しないで、まあ、不明瞭でも、いい加減でもいいじゃないかとなっていくようです。
中には、老化に最後まで逆らって、若くあろうと、好奇心いっぱいで、物事に執着して、頑固になる人もいるようです。
四猿の最後のせざるですが、こちらも、徐々に、性欲も弱くなっていって、タダの排尿器官と化してしまうわけで、好むと好まざるに関係なく、不道徳なこととは、無縁になっていきます。
こちらも、還暦過ぎても、現役を貫いて、お薬やサプリの力を借りてでも、背徳の人生を楽しむ強者も多いようですけどね。
老人らしい老人として人生を終えるのがいいのか、万年青年を求めてがんばって努力して生きる方がいいのか、個人の考え方次第でしょうね。