タイの国際空港といえば、ドンムアン国際空港という時代が長かったんですが、タクシン政権時代に、バンコクの東部にあるコブラの沼地といわれる一帯に、スワナプーム新国際空港を作りました。
タクシン派の政治家たちが、大儲けをしたという疑惑のある空港で、オープン当初は、手抜き工事で滑走路に亀裂が入ったり、空港施設の屋根から雨漏りがしたり、いろいろとありました。
荷物検査用のスキャン機に関する汚職疑惑もニュースになっていました。
周りには水田以外何にも無いような所で、当然、土地は低いのですから、バンコクに大洪水が起きたときには、水没するのではないかと心配されましたが、空港を守るために、そのまわりを犠牲にすることで、なんとか無事でした。
ドンムアン空港といえば、空軍の飛行場を民間も使うということから、AOT(Airports of Thailand)は、空軍の利権とかいわれています。
空港の利権といえば、個人がまず思い浮かべるのが、免税店などの空港室内にあるテナントでしょうし、空港で待機するタクシーやリムジンなどですね。
昔から、空港では一般のタクシーの客待ちは出来ないといわれ、それを知らないタクシーの運転手が、正体不明の一団に袋叩きにあうといった事件もけっこうありました。
空港内にうろついている闇ガイドも、空港を仕切っている組織にみかじめ料を支払っているといった話も聞いたことがあります。
とにかく、タイには、一般の人たちにはわからない世界もあるので、むやみに入り込むと怪我をする可能性も高いです。
最近話題になっているのは、セントラルグループの親会社、セントラルパタナーが開発している巨大ショッピングアーケード、Central Villageに関するニュースです。
スワナプーム空港のすぐ近くに建設中の施設は、今月の31日オープンの予定だそうですが、AOTからイチャモンを付けられて、現在、工事関係者もセントラル関係者も敷地内に立ち入れないんだそうです。
通用門すべてにバリケードを置いて、監視員がいるんだそうです。
現在すでに70%以上が完成し、あとは内部に商品を運び込んだり、最終的な準備をする段階なので、もう関係者は、パニックのようです。
トラブルの原因は、なんでも敷地の一部が、空港の管理下にあるとかで、土地の使用契約に問題があるとか。
そして、空港に近いので、航空機の運航にも影響がある可能性も指摘されているそうです。
セントラル側としては、規則に違反していることはないし、契約もすべて適法であると主張しているようです。
メディアの中には、セントラルの観光客を狙ったブランド商品販売が、空港内にある免税店の利害と対立しているから、嫌がらせが入ったのではないかとか指摘するところもあるそうです。
セントラルグループは、いろいろとトラブルも抱えますが、それでも、ものすごい拡大路線で、バンコクだけでなく、地方都市や外国にも販路を広げてきています。
当然、政治力も持っているでしょうし、いろいろな人脈もあるでしょうから、有耶無耶になるのではないかと思います。