2019年3月11日月曜日

「カメラを止めるな!」その2

「カメラを止めるな!」のテレビ放送では、副音声もあったんだそうで、上田監督が裏話として、あの冒頭37分ワンカットは「6テイク目のもの」だと言ったそうです。

撮り直しを行った理由について「ゾンビメークが間に合わなかったり、カメラマンが転んだ時に(録画停止)ボタンを押してカメラが止まっちゃったりとか…。5回目は完璧でしたが、セリフとかもうまくいって逆に面白くなくなってしまった。6テイク目は撮影中にもトラブルなどがあって、熱量が上がったんです」と臨場感が出たテイク6を映画に使ったと説明した。

全くの一発目で撮ったのかと思ってしまいましたが、裏話を聞けば、そうだったのかと、納得です。

37分間の演技を集中力を切らさず、何度も繰り返していたんだなんて、余計にすごいなあと思います。

衣装なんかも、毎回新しくしなければならないだろうし、ヘアーのセットやメイクなどから小道具なんかも、全部リセットですから、スタッフたちも大変だったことでしょうね。

衣装の中でGOOD GUYS GO TO HEAVEN, BAD GUYS GO TO PATTAYAのT-Shirtが、タイに住んでいるものには、印象深かったです。

普通に、細かく分けて撮っていたら、また違った映画になったでしょうけど、監督のこだわりは、とにかくゼッタイにワンカットだということでしょう。

キャストの濱津隆之は、監督が、彼の困り顔、顔がモゴモゴしていて魅力を感じたんだそうです。

優しさと情熱を上手に演じていたと思います。

個人的には、「しゅはまはるみ」さんが、素晴らしかったと思いました。

あの身体能力からして、もしかして、もと女子プロレスラーとか女性格闘家じゃないかと思ったんですが、ジャパンアクションクラブ(JAC)の養成所に入っていたんだそうですね。

バク転も出来ないし、アクションが好きじゃなかったからやめたとのことです。

スイッチが入ったら止められないという狂気は、多少は地があるのではないかと思いました。

撮影中の膨大な“血のり”は、口に入っても大丈夫なようにとスタッフが、イチゴ味というか、ほんのり甘い味で作っていたそうです。

映画も博打で、一発当てれば、ウハウハですが、ほとんどの場合は、赤字になることが多いようです。

デジタルビデオの高画質化と小型化、そして、価格が安くなっているから、フィルムカメラ時代と違って、やる気と才能さえあれば、おもしろい映画も手軽に出来そうで、若い才能にもっと出てきて欲しいです。

TikTok(ティックトック)なんかで遊ぶより、短編映画で遊んだ方がおもしろいと思うけどな。