2019年5月30日木曜日

動物農場が話題に

プラユット首相が、インタビューで、タイ人は「動物農場」を読んでみるべきだと言ったんだそうです。

恥ずかしながら、「動物農場」を知りませんでしたので、調べてみました。

イギリスの作家ジョージ・オーウェルの1945年8月17日に刊行された小説なんだそうで、原題は、「 Animal Farm」。

ロシア革命を背景に、動物たちを主人公にして、動物たちが飲んだくれの農場主を追い出して理想的な共和国を築こうとするが、指導者の豚が独裁者と化し、恐怖政治へ変貌していく有り様を描いているそうです。

人間の農場主が動物たちの利益を搾取していることに気づいた「荘園牧場」の動物たちが、偶発的に起こった革命で人間を追い出し、ヨシフ・スターリンがモデルの「豚」の指導の下で「動物主義」に基づく「動物農場」をつくりあげる。

ウラジーミル・レーニンがモデルの理論的指導者メージャー爺さんが病死した後、動物たちの仲間社会でつかの間の安定を得た彼らであったが、レフ・トロツキーをモデルとしたスノーボールとの不和や争いが絶えず、最後は理解できない混乱と恐怖に陥っていく。

結果的に支配者が入れ替わっただけで、人間が支配していた時以上に抑圧的で過酷な農場となる。

***

要するに、共産主義の理想を叶えるために革命を起こして、王制を倒してみても、ロシアや中国や北朝鮮や東欧の歴史を見てもわかるように、共産主義者の作った体制の方が、独裁的で、国民は不自由だといった皮肉の話のようです。

プラユット首相の考えはわかりませんが、勝手読みするのなら、タクシン派に踊らされている人びと、特にタナトーンを持ち上げている若い世代は、この本でも読んで、少し現実を知った方がいいということなのかもね。

タクシン派の方から設楽、クーデターを起こしたのは、プラユット側ではないかと開き直るのでしょうけどね。

王制を倒して共和制へというのは、タクシンやタナトーンなどの基本的な考え方でしょう。

彼らのまわりには、共産主義者たちがいっぱいです。

不敬罪で国外追放になっている京都大学東南アジア研究所のパウィン・チャチャワーンポンパン准教授も、一時は、タナトーンと仲良しだったようです。

タナトーンもピヤブットも、あんまり過激な発言や行動をとると取り返しの付かないことになりかねませんから、気をつけた方がいいと思います。

今は、過去の発言や映像も、すぐにネットに流れますから、逃げられません。

欲をかいたり、目が曇ると、真実がよく見えなくなってしまいます。