2021年2月1日月曜日

これを読めばかなり詳しくなるミャンマーの話

今日2021年2月1日の大きなニュースとして、ミャンマーで軍事クーデターが起き、ミャンマー国軍が全権を掌握し、アウンサンスーチー女史やWin Myint大統領などの身柄を拘束したとのことです。

ビルマと呼ばれていた時期もあって、ミャンマーと国名が変わったときにはなにかしっくりしませんでしたが、最近は、ミャンマーになれていました。

私は、1974年から1988年までのビルマ連邦社会主義共和国と呼ばれていた時代に2回行ったことがありました。

当時は
ヤンゴンではなくRangoon ラングーン
バガンではなくPagan パガン
ラカイン州ではなく アラカン
ピンウールィンではなく メイミョー
モーラミャインではなく モールメイン
バゴーではなく ペグー
エーヤワディー川ではなく Irrawaddy River イラワジ川
タンルウィン川ではなく Salween River サルウィン川


当時のビルマは社会主義ですし当時のソ連との関係もあったようで、ものすごく田舎でしたし、何か不気味な国でした。

外貨の持ち込みや持ち出しが厳しく制限されていて、最悪の場合には逮捕されるとかビルマにいったことがある人から脅されました。

当時はバンコクにあるビルマ大使館でビルマの入国ビザを申請しましたが、申請時には、戦争中に家族の誰かがビルマに滞在したことがあるかどうかの質問事項がありました。

インパール作戦でも有名ですが、旧帝国日本軍はタイからビルマへ進軍して、日本が英国を追い出してビルマを占領していた時代がありました。

ビルマは、昔から地下資源も豊富でしたし、大東亜共栄圏の重要な国のひとつで、日本は、現地の若手の軍人を訓練するなどしていました。

その重要な役目を負ったひとつが、南機関という組織で、そこに有名な「ビルマ建国の父」として死後も敬愛されている「アウン・サン将軍」がいたわけです。

そのアウン・サン将軍の娘さんが、有名なアウンサンスーチー女史なわけです。

とにかく英雄の娘さんですし、海外留学経験も豊富ですし、早くから注目されてきた女性で、いろいろな国や大学から名誉市民とか名誉学位とかをもらってきていますし、なんといってもノーベル平和賞が有名ですね。

でも、最近のロヒンギャ問題から、ノーベル平和賞を取り消せといった声があがったり、実際に名誉市民が取り消されたりしているそうです。

ミャンマーの民主化のシンボルといわれていますが、彼女を知る人の印象としては、とにかく頑固なんだそうです。

彼女自身は仏教徒であるらしいし、欧米での生活も経験しているわけですから、キリスト教的な考え方は理解していると思うのですが、イスラム教に関してはどうなんでしょうね。

それとこのところ経済発展をしているミャンマーは、昔から軍と中国との関係も密接でしたが、欧米が人権問題でいろいろな経済制裁を行っている中、民主派政権としても、中国との関係を深める必要があり、そのへんで、軍との間に利権争いが起きているといった見方をする人もいるようです。

ミャンマーには、地下資源だけでなく、麻薬もあるわけで、そういった利権も裏にはあるのではないかと思ったりもします。

2007年9月27日に僧侶たちのデモを取材していた日本人の長井健司さんが撃たれたニュースは衝撃的でした。

今回の軍事クーデターでも、世界中からジャーナリストたちがミャンマーに取材に行くのでしょうけど、悲劇が起こらないことを祈るばかりです。

これから欧米は軍事政権に対していろいろな圧力を変えることが予想されます。

テレビに出ていたカセサート大学の専門家によるとミャンマーの軍部は、以前から中国との関係はいいものではないそうで、中国の影響力が強まることはないのではないかとのことでしたが、どうなんでしょうね。

彼女の話のイメージでは、軍はやはり民族派というか、海外からの影響力をあまり受けないミャンマー独自の路線を守るような感じを受けました。

中国包囲網としての米国・インド・オーストラリア・日本とイギリスがどう出るのかにも注目です。