2019年2月20日水曜日

タイの選挙 その2

選挙で勝つためには、いろいろなことが大切になると思いますが、まず、誰が投票に行くかを知ることも大切ですよね。

日本ですと、中高年や主婦などが、選挙に行くわけで、若い世代は、選挙に行かない人も多いようです。

そうなると、候補者たちは、投票に行く人たちにアピールするわけで、中高年や女性たちの悩みを解決いたしましょうといった政策を作ります。

労働組合とか、宗教団体とか、組織票に対してもアピールした方が強いでしょうね。

ポピュリズムと言われるバラマキも、大いに選挙では使われるようです。

一番簡単なのは、景気をよくして所得を増やし、税金を減らして、物価を安定させるといったことでしょうね。

出来る出来ないよりも、言った者勝ちの面もあり、実際に政権をとってしまうと、言ったことの責任をとらされ、次の選挙で負けることもあります。

税収が減ったら、やりたいことがあっても、お金がないからやれません。社会保障も破綻するかもしれないし、インフラの整備も出来ません。

かといって、選挙の時に、税収を増やしますと言えば、投票する人を減らしかねません。

防衛費なんか、減らした方がいいというのは簡単ですが、北朝鮮やロシアや中国などに対して、話せばわかるはずとか、日本は戦争反対ですから、ご理解くださいと言っても、わかってもらえないどころか、好きなようにされる可能性が高いと思います。

個人レベルでも国レベルでも、抑止力というのは必要で、なめられたら危険です。

さて、そういった選挙の話は、どこの国でも、共通することも多く、選挙に強い政党は、選挙に行く人たちへのアピールが上手です。

タイの場合には、東北部で暮らす人たちの人口が多く、村長や地元の実力者の発言力も強いので、そういった人たちを押さえれば、かなりの票を集めることが出来ます。

北部も票がまとまりやすいようで、この2つの地域に強いのがタクシン派です。

そして、前にタクシンの妹のインラック政権でもやったように、農民たちに対しては、米の買い取り価格を市場価格以上にしますとか、バンコクに出稼ぎに行っている人たちに対しては、最低賃金を今の倍にしますとか、あとのことは考えない人気取り政策を広めます。

もちろん、タクシン派に限らず、どこの政党も、美味しい政策を出しますが、今、話題になっているのは、「新未来党」です。

この新未来党の党首が、まだ若いですし、ハンサムですから、若い世代には人気で、今の軍事政権を意識して、私たちが政権をとれば、軍事費を減らしますとか、徴兵制の見直しをしますとか言って、若い世代にアピールしています。

新未来党の党首は、タイ最大の自動車部品メーカー、タイ サミット オートパーツの副社長タナトーン・ジュンルンルアンキット氏( 39歳)なんですが、この会社は、日本との関係も深い会社です。

初代社長は、本田宗一郎さんのように、一代で会社を大きくした人で、今では、タイサミットグループという大財閥になっていて、いろいろな分野に進出しています。

貨幣価値は違いますが、最初に会社組織として登記した時の資本金は5万バーツ(約15万円)だったそうです。オートバイのシートなどの生産で急成長しました。

この一族のスリヤ・ジュンルンルアンキット氏はタクシン政権(2001―2006年)で副首相、工業相、タクシン派与党の幹事長を務めた人物でしたが、スワナプーム国際空港の荷物検査用の大型スキャナーにからむ汚職問題で、マスコミからメチャクチャに批判された人物です。

性格が政治家向きではなく、平気で嘘がつけないようで、質問されるとタジタジでした。

彼は、タクシンとは別れたようで、今は、プラユット現首相を首相候補に担ぐ、国民国家の力党(パランプラチャーラット党)に入党し、話題になっています。

この動きには、プラユット政権で、経済担当の副首相を務めるソムキッド・ジャトゥシーピタック氏の意向を受けたものと言われています。彼もまた、以前は、タクシン派の政治家ですが、今は、タクシン派から離れています。

タナトーン・ジュンルンルアンキット氏ですが、現政権に対して、不正な選挙をしようとしているとフェイクニュースをネットに流したと、裁判所から呼び出しを受けて、出頭したようです。

タイでも、若い世代は、なかなか選挙に行かないわけですが、若い世代の政治家も現れ、若い世代にアピールする政策もあるので、どのくらい、票が伸びていくのか興味深いです。

あと、タイは、期日前投票に関しては、オンライン投票もはじめています。

オンラインでの投票が、普及していけば、将来は、若い世代の投票率も急激に上がる可能性があります。

若い世代は、ネットでの、いろいろな情報に注目しているから、各政党も、いろいろな情報を流し、中にはフェイクニュースもあるようです。

タイは、固定電話の普及が遅れていたおかげというか、携帯電話やスマホの普及が、かなり進み、屋台のおばさんとか、田舎の農家のおばさんなんかでも、スマホ使いが少なくないようです。

中国のファーウェイなんかが、田舎に無料でwifi設備を提供し、スマホの使い方講座なんかもやっているようです。

これからは、サッカーと同じで、タイとベトナムが、驚きの進歩を見せるかもね。

日本もボーッとしていると、チコちゃんに𠮟られるだけでなく、落ちこぼれになっちゃうかも。

20年以上前の組み立てパソコンのスペック