2020年2月24日月曜日

タイの新未来党の逆襲

タイの憲法裁判所の決定で、新未来党は解党となり、幹部16名が、10年間の公民権停止となりました。

それで、アメリカとかEUとかカナダが、憲法裁判所の解党命令は、昨年の選挙で新未来党に投票した600万人の票を無視する暴挙だと批判しました。

ところが、実際には、党は解党になり、幹部は公民権が停止されていますが、選挙で選ばれた新未来党の代議士たちは、別の党に移籍するだけで、今まで通りの議員の資格は補償されていますから、批判は、ピンぼけでした。

そこで、今度は、マレーシアの世界最大ともいわれている1MDBスキャンダルにタイのプラユット首相が関係しているという疑惑を出してきたようです。

ナジブ・ラザク(マレーシア第6代首相)の個人口座へおよそ7億ドルが振り込れたなど、国際的なマネーロンダリングの疑惑で、世界的なスキャンダルとなっています。

1MDBスキャンダルの主役の1人が、マレーシア人のジョー・ロー(Jho Low)という人物がいるわけですが、この人物は、シンガポールやスイスや米国などから捜査令状が出ていて、インターポールを通じて国際手配されている人物です。

そんな人物をタイ政府が、マレーシアのナジブ・ラザク元首相からの要請があったためなのか、プラユット首相が、自由に出入国を5回も許可したという記録があるそうで、それが問題になっています。

ジョー・ローは、ナジブ・ラザク元首相の義理の息子の親友で、義理の息子のリザ・アジズもアメリカで不動産投資をしたり、映画会社を作って、レオナルド・ディカプリオが主演しアカデミー賞を受賞した「ウルフ・オブ・ウォールストリート」と作ったりした人物ですが、昨年の7月にマレーシアで、汚職の疑いで逮捕されています。

また、この件の証人スイス人のXavier Justoの身柄引き渡しをタイが拒否した件も問題にしていますし、他にも関連している人物たちの出入国に関して、いろいろと疑惑があるようです。

プラユット政権が、国際的な悪党に手を貸した黒い疑惑という感じのようです。

新未来党が、こうした詳細情報を独自に手にしたとは考えられないから、米国やシンガポールから入手しているのかもね。

なんといっても、新未来党の御三家(タナトーン、ピヤブット、パニカー)には刑事訴訟も待っているから、こうした揺さぶりや裏取引は、これからもあるかもしれません。

反政府集会での武漢肺炎の感染拡大だけには気をつけてもらいたいですね。

新未来党は、以前にも大金で引き抜きがあったといっていましたが、その後、証拠も出さなかったし、選管に訴えることもなかったです。

今回は、電話の録音があると証拠を出していますが、2300万バーツで引き抜こうとした人物の名前を出して、音声もしっかり鑑定をしてもらいたいですね。

新未来党は、嘘とハッタリと屁理屈が多いから要注意だと思っています。