2022年10月11日火曜日

麻薬戦争の話

タイ東北部ノンブアランプーで起きた悲惨な事件を受け、タイ政府は、武器の所持や麻薬の所持に関する厳しい取り締まりを発表しています。

今回の犯人が元警察官で、10代のころから覚せい剤を常用していた疑惑もあり、警察官をクビになった理由も麻薬の常用が関係しているといわれています。

そして、この事件が起きる前から、拳銃による事件が多発していて、タイでは、不法に拳銃を所持する人が増えていて、ネットで、簡単に銃や弾薬を購入できるのが問題といわれています。

ネットでは、1丁3万円前後からそれ以下で売っているそうです。

麻薬にもいろいろとありますが、タイで問題になるのは、ほとんどが覚せい剤で、タイでは、「キチガイの薬」とか言われています。

タイでは、昔は、「馬の薬」といわれていて、競走馬にこっそりと覚せい剤を注射して、ぶっちぎりの快走をさせてぼろ儲けとか、そんな都市伝説もありました。

とにかく、興奮剤ですから、錠剤の覚せい剤を飲めば工員や運転手が徹夜で働くとか、稲刈りの季節労働者の飲み水に混ぜて飲ませて、バリバリ働かせるとか、とんどもない話もありました。

覚せい剤を服用すれば、食欲がなくなり、痩せるからと、ダイエットの薬に混ぜて大問題になったこともありますし、日本のヤクザなども使っているそうで、女性が中毒すると、もうセックス中毒になってしまうとか。

昔、シンナーとかボンドを吸っている若者の脳みそが溶けているとか、そんな恐ろしい話もあったように、覚せい剤でもアルコールでも、ひどい中毒で頭がおかしくなるようです。

今は何でも差別用語とか放送禁止用語ですから大変な世の中ですが、昔から、「キチガイに刃物」といわれてきているように、麻薬中毒患者が、刃物とか拳銃を持ったら、とんでもない事件が起きてしまいます。

それで、南米のコロンビアでもメキシコでもフィリピンでも、麻薬戦争という、麻薬マフィアを取り締まる戦争が起きています。

タイでも、巷のうわさでは、息子が麻薬中毒とささやかれているタクシン元首相が、2003年に麻薬に関係しているとリストアップされている人々を問答無用で逮捕、時には裁判にもかけずに銃殺してしまい、中には無罪の人とか未成年の人もいたと後から世界から非難されました。

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タクシンは2003年に麻薬一掃作戦として、軍隊・警察を導入し、政府が作成したブラックリストを元に、リストアップされた人物を強制逮捕・処刑した。しかし、そのブラックリストには無罪の人物も含まれており、政府もこれを認めている。中には無罪証明をもらっているにもかかわらず狙撃され、一家は事実上社会的に追放されたというケースもあった。

しかしこれに対してなされた対策はほぼ皆無である。この作戦で死んだ人は公式発表では、民間人2,500人以上、軍あるいは警察の殉職者は25人。逮捕者は9万人に上った。

一部マスメディアでは「アメリカの歓心を買う人権侵害」や「タクシンおよびブラックリスト作成者の反対勢力一掃作戦」と批判された。ちなみに、逮捕者のうち、大物人物が相次いで無罪釈放されている。

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何とかして帰国し、政界に返り咲きたいタクシンは、今こそ過去の栄光を多くの人に知らせようと、自分が首相だったときには、覚せい剤は一錠が400バーツに高騰し、手に入らなくなったと言っています。

麻薬戦争の名目で政敵やその支持者などを殺してしまったりもしましたが、事実麻薬取引は減ったそうです。

ちょうどタイは、医療大麻を合法化しているし、それをも政治的に利用して、与党を叩き、タクシン派に投票させようとする戦略もあるようです。

大麻を吸って犯罪を犯す人の話はあまり聞かず、犯罪者の多くが覚せい剤やアルコールの力で、犯罪を起こしているようです。

とにかく、これからいろいろと取り締まりも厳しくなるでしょうし、医療大麻は許可されていますが、娯楽用は依然として違法ですから、間違っても手を出さないでくださいね。

覚せい剤は、マジ人生がぶっ壊れると思います。