2022年10月9日日曜日

外国人記者の話

日本でも外国人記者クラブがあって、いろいろな意味で権威を持っていますが、タイにも外国人記者クラブはあります。

一般論として、どこの国でも記者とかジャーナリストは、反政府とか反体制といった感じの記事を書くことが多いわけで、時には、政府からにらまれることもあります。

かなり昔ですが、バンコクのデュシタニホテルの最上階で外国人記者クラブの定期ミーティングが行われていた時、政府の人間が、中に入ろうとして係と揉めていたことがありました。

ちょうど、タイ北部から当時のビルマ、そして中国への麻薬ルートに潜入したジャーナリストの話があったときでした。

時には政府からにらまれ、闇組織からもにらまれ、そうして貴重な情報を掴むのが真のジャーナリストで、そういった人たちは尊敬に値します。

さて、昨日から話題になっているのは、CNNの記者2名(オーストラリアの女性と英国の男性)が、タイで起きた悲惨な事件を取材しようとして、立ち入り禁止になっている現場に無断で入り込んだからです。

彼らは、観光ビザで入国しているので、直ちにビザは取り消しにされ、これから不法行為をさばかれ、国外追放になる可能性があるそうです。

そればかりか、国外追放になれば、5年間の再入国禁止処分も下る可能性があるそうです。

日本は外国人に甘いですが、タイをはじめ、普通の国では、外国人の入国時に許可されているビザ資格以外の活動をすれば逮捕される可能性があります。

昔からよく問題になったのが、日本からの短期出張者が観光ビザで入国してタイで仕事をしたら違法かどうかという問題で、正式には、少なくとも短期間の労働許可を取るべきだといわれています。

今回のような取材でも、日本のテレビ局がよくやっている番組ロケでも、正式には、労働ビザとか労働許可が必要ですし、タイの場合には、入国時に撮影機材の申告や、出国時の映像や写真のチェックまである場合もあるそうです。

もちろん、すべてがガチガチに取り締まられているわけではなく、いい加減なところもあるので、タイはテレビ局などの取材がやりやすいといわれているそうです。

ただ、何かあれば、法律は、かなり厳しいことを知っておくべきです。

タイ国籍を持っている元日本人は違いますが、永住許可でも長期ビザでも観光ビザでも、行動制限と外国人としての義務はあるわけで、それを誤解すると、日本にいるおかしな外国人と同じになってしまいます。