2022年11月5日土曜日

霧のカレリアの話

現在は、宇宙に多くの人工衛星が浮かび、通信や気象、スパイ活動などで活躍していますが、世界で最初に人工衛星を打ち上げたのは、当時のソビエト連邦で、スプートニク1号です。

1957年10月4日に打ち上げられて、当時は大きなニュースだったそうです。

アメリカも負けじと1958年1月31日にエクスプローラー1号を打ち上げています。

当時はアメリカとソビエトとの宇宙開発競争が激しくて、どちらかといえば、ソビエトがアメリカを一歩リードしていた印象です。

人類初の有人宇宙飛行を成功させたのもソビエトで、1961年4月12日にユーリイ・ガガーリンを乗せたボストーク1号でした。彼の「地球は青かった」は有名ですよね。

アメリカは、1961年5月5日にアラン・シェパードを乗せたマーキュリー・レッドストーン3号で有人宇宙飛行を成功させました。

女性初の宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワを乗せたソ連のボストーク6号は1963年6月16日に打ち上げられました。彼女の「私はカモメ」も有名です。

そんな世界中の人たちが宇宙に興味を持っていた時代、音楽にもその影響が出ていて、人工衛星や宇宙ロケットの名前をタイトルとした局やバンドが登場しました。

イギリスのグループTornadosが1962年に発表したテルスターは、世界でヒットしました。

そして、1965年にスウェーデンのスプートニクスが世界的な大ヒットを飛ばした曲が、霧のカレリアです。

YouTubeの映像にあるように、森と湖の美しい風景ですが、実際には、カレリア地方は、フィンランドの領地がソ連に奪われたり、悲しい歴史の地域です。

今は、1991年11月13日からカレリア共和国となっているそうです。

10月30日にNHK BS1で放送された番組「翻弄される国境の町〜フィンランド・カレリア地方〜」を見ました。

ロシアのウクライナ侵攻でフィンランドの国境の町で暮らす人たちの生活に大きな影響が出ているという目線での番組です。

ロシアとフィンランドの国境はものすごく長くてほとんどが陸続きですが、主要道路や鉄道の国境の町があります。

ロシア人とフィンランド人が仲良く行き来していたのですが、新型コロナに始まり、ロシアのウクライナ侵攻で、人や物の行き来が途絶えて、暮らしも激変しているようです。

番組の中に鉄道で国境を超えるときに通る町Vainikkalaが紹介されていました。

シベリア横断鉄道は、モスクワからSaint Petersburgを通って、フィンランドに入っていくのですが、この国境の町で、出入国の手続きを行います。

私が、ここを通ったのが、当時のパスポートを見てみたら、1973年3月9日でした。


国際特急列車から下りて手続きをしたことを思い出しました。

番組の中では、親子によっても異なった考えだったりで、NHKとしては公平な視点だったような気がします。

ロシアに住む両親はプーチン支持で、フィンランドに移住してきている息子たちは、プーチン批判のようでした。

かなり興奮した母親からは、NATOがロシアを刺激したとか、2014年の話も出ていました。

でも、政治とか思想を超えたところで、国境で生きてきた人たちは、みんな苦しんでいるわけで、一人の年金生活者は、月に何度もガソリンや食料の買い出しに国境を越えて物価の安いロシアに行くそうで、国境が閉鎖されたら、最低の暮らしも困難になると嘆き、子供のころ、おじさんから教えられた言葉「貧しいものから最後の一切れのパンを盗んではいけない」という言葉を紹介していました。

国力が弱いと、強い国から征服される可能性がありますよね。