2018年8月3日金曜日

万引き家族を観ました

考えてみれば、最期に映画館で映画を観たのは「ジュラシックパーク」でしたから、1993年頃で、約25年前でした。

以前は映画館で映画をよく見ていたのですが、CDやDVDで映画を見る事が出来るようになってからは、家で観るようになっています。

画面は小さいけど、アンプとスピーカーを使えば、映画館にはおよばないまでも、まあまあの臨場感も楽しめます。

タイでは、日本の映画を観ることは、ほとんどなく、洋画中心でしたが、この10年くらいは、その洋画も、ほとんど観ていません。

映画は、だいたい1時間半から2時間くらいですから、長いです。

それはそうと、第71回 カンヌ国際映画祭、コンペティション部門 パルムドール(最高賞)を受賞した、是枝裕和監督の作品「万引き家族」を観てきました。

RCAという、オシャレな若者たちが夜になると集まってくるクラブやショップの集まっているエリアにある映画館での上映で、インディーズなどを中心に上映している映画館のようでした。

かなり大きな建物の3階にある映画館には、シアター1とシアター2の二つがありました。

ロビーには、是枝裕和監督の今までの作品のポスターも飾られ、先月、それらの映画が公開されたようでした。

豊かではない家族の日常が描かれていきますが、彼らは、万引きや車上荒らしなどをして暮らしているわけで、徐々に、彼らの関係も明らかにされていきます。

本当の家族ではないわけで、独居老人の所にいろいろな過去を持つ人たちが集まってきて、暮らしているわけです。

老女が別れた男性の再婚相手との間に生まれた息子の家族の長女が、何事にも妹と比べられて、居場所をなくし、風俗店で働きながら、老女と暮らしはじめる。

スナックかなんかを経営している女性信代が、夫からのDVに悩んで客の男性柴田治と親しくなって、男と女は、夫殺しをした過去を抱えながら、独居老人と同居をはじめる。

パチンコ屋の駐車場で車上荒らしをしていた治は、車の中でぐったりしていた子供を連れて帰り同居をはじめる。その子に、治は、自分の本名祥太と名付けて育てる。

近所の団地で、ひとりの幼い女の子が震えているのを見つけ、治は見かねて連れて帰る。両親からの虐待を受けているのか、ゆりの全身には傷が。

今の日本にある問題を描いているわけですが、家族の崩壊や、家庭内暴力など、みんな、家族の間にあるべき愛情が失われているのではないかという問いかけでしょうね。

独居老人にとっては、ニセモノの家族であっても、家族との団らんは幸せですし、ニセモノの家族のみんなも、居心地はいいわけです。

最終的には、ニセモノ家族に感謝しながらも死んでしまい、その死を表に出せないからと床下に埋められてしまい、ニセモノ家族は老婆の年金をもらい続けます。

祥太は治にいわれるがまま万引きを続けるわけですが、どこかで、何かが違うと思っているようです。

わたし的には、この翔太が、施設で育つなか、刑務所にいる信代に治と面会に行ったときに信代から聞かされた話から、自分の本当の親を捜し当て、その家に戻って、幸せな学生生活を送りながらも、過去を振り返る物語にして欲しかったです。

タイ人は、タイ語の字幕を観ているわけですが、その字幕が、やけに詳しい説明のようで、日本人が観ているのよりも、細部の事情をしっかり理解しているようでした。

字幕というのは、重要ですね。

サッカーの監督などでも、外国人ですと、通訳を介するわけで、通訳次第で、伝わる話の内容もかなり違うのではないかと思います。

日本人監督プラス外国人のテクニカルコーチというコンビが最強のような気がします。

それにしても、両親からの虐待に逆戻りしたゆりが、かわいそうでした。ニセモノの家族たちは、警察に、そのへんの事情を話さなかったのか、話しても相手にされなかったのか、とにかく、救って欲しかったな。

それはそうと、この映画館は、観客が少なかったこともあるとは思うけど、冷房が効きすぎで、寒かった。寒いだろうことは想像していたので上着を持って行って着たのですが、それでも寒かった。

映画の中で、ソーメンをすするところがあったので、ソーメンを作ったのですが、ソーメンの食べ方には、映画にあったようにソーメンを氷水に入れて出すのと、タイのカノムチーンのように水を切って丸めて出すやり方があるようで、ネットでも話題になりましたよね。

地域によっても多少の違いはあるようですが、結論としては、育った家庭によるという意見が多かったようです。

ちなみにわたしは、氷水派です。