2019年2月19日火曜日

タイの選挙 その1

今日はマーカブチャー(万仏節)です。タイでは、禁酒日となります。

タイでは、仏教に関する祝日や選挙の投票日前には、アルコール類の販売が禁止になります。

ホテルの客室や自分の家で飲むのは問題ないです。

さて、3月24日に投票日を迎えるタイの選挙ですが、王女さまを首相候補にした政党が解党になるのかとか、プラユット現首相が再選されるのかとか、いろいろな話題があります。

昨日から、騒がしくなっているのは、タクシン派のタイ貢献党の首相候補の1人、スダラット・ゲーユラパン女史の発言です。

彼女は、一時は、タイで最初の女性首相になる人物と言われていたほど、タクシン派の重要人物でしたが、タクシン追放後は、一時政治から離れ、仏教関係の慈善事業などをやってきていました。

タクシン派の政治家らしく、巨大プロジェクトにからむ汚職事件にも関係があった疑惑も複数ありました。

選挙で選ばれたから民主主義に則った政党だといつも言っていますが、それと、汚職とは、別問題です。

タクシン派にも反タクシン派にも、汚職疑惑はつきまとってきています。

一説では、タクシンの妹たちと不仲ではないかという話もあり、今回は、タクシンの妹たちは、表面に出てこれないので、彼女が表に出ているといった話もあります。

もう一つ、彼女の娘さんの「ジニー」が可愛いと話題になっています。

さて、問題発言の方ですが、彼女が、今のタイは、軍事費が巨大すぎる、自分たちが政権をとったら、まず、軍事費から削ると発言しました。そして、徴兵制の見直しもしたいと言ったわけです。

まあ、今の軍事政権に対する批判票を増やしていく戦略のひとつなんでしょうけど、この発言に、陸軍最高司令官が、噛みつきました。

軍のラジオ局から、一日2回、朝夕に「ナック・ペンディン」という愛国の歌を流すと言ったのです。でも、すぐに撤回したそうですが。

この歌は、ベトナム戦争時代に、反共の意気を盛り上げるための歌と言われていて、1976年10月6日に起きた学生運動静圧の時に流れた歌としても有名です。

以前にも書きましたが、今の陸軍最高司令官のアピラット・コンソムポン陸軍大将は、チャーチャーイ政権を倒した1991年の軍事クーデターの首謀者の1人である故スントン・コンソムポン元タイ軍最高司令官の長男です。

ですから、ただでさえ、標的にされやすいわけで、口は災いの元、あんまり発言しない方がいいような気がします。

政治家になる軍人には、余計なことを話して、トラブルになる人が多いような気もします。

タクシン派には、当時の学生運動をしていた人たちや共産主義者たちもいるわけで、彼らを売国奴とか、危険人物とかいった決めつけをすることで、ますます国民が分断されるといった批判も起きています。

まあ、タクシン派は、海外の巨大資本と手を結んでいる売国奴との批判もあるし、立憲君主に批判的だとの見方もあるわけで、タクシン派も、気をつけないと、また、争いが起きてしまうことにもなりかねません。

今日のニュースでは、バンコクで、小型爆弾と爆弾に似せた不審物が見付かったそうで、いつもながら、選挙になると、こういったことも起きてきます。

過去にあった事件の時には、政府は、タクシン派の犯行に違いないと言い、タクシン派は、タクシン派をはめる側の犯行という、水掛け論になり、時には犠牲者も出るわけで、困ったモノです。

平和と健康が望みです。